エンタメ・韓流

『オトナブルー』に目が釘付け!懐かしさとイマドキと未来感を行き来して旋風を巻き起こす「新しい学校のリーダーズ」

制服姿で常識からはみだしていく4人(公式ホームページより)
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リードボーカルSUZUKAの清々しさ

楽曲も素晴らしいが、「新しい学校のリーダーズ」の最たる魅力は、メンバー全員キャラクターが立っているところだろう。

刈り上げのヘアスタイルが印象的なRINさんのダンスはキレッキレで「SPEEDのHITOEさんの娘説」が出たほどである(違うそうだ)。少女マンガのヒロインフェイスを持つKANONさんは、特技が「SUZUKAさんを肩車したままスクワットできる」ことらしい。ギャップ萌え……! MIZYUさんのツインテールは、もはや髪ではなく生命体。どれだけ振り回しても美しくまとまりつつしなやかに動くので見とれてしまう。

そして、リードボーカルのSUZUKAさんのパフォーマンスのなんと奇抜なことか。笑顔を浮かべながら、躊躇なくガニ股ポーズを繰り出す。ときにはスカートをめくり上げ、舌をべろーんと出して見せる。かなり挑発的だ。しかし下品さはない。不思議だ。

この妙な清々しさ、誰かを思い出す——。そうだ、私の大好きな、吉本新喜劇の島田珠代さんと通ずるものを感じる。見たあとおおらかな幸せに包まれるあの感じ。存分に弾けることで、逆に気まずさやいやらしさは打ち消され、上質のコミカルへと昇華するテクニック!

これは誰でも成功できるものではない。SUZUKAさんは人の心を掴む上級者と見た。

なにより4人全員、笑顔がなんとも明るくあどけない。制服姿で常識からはみだしていく、新しい学校のリーダーズ。懐かしさとイマドキと未来感を行き来しながら起こしてくるその風からは、少し忘れていた、アソビと強気のワクワクが生まれ出る。

そして私も「今どきの音楽はわからない」と遠い目になっている暇はないな、と思うのだ。

◆ライター・田中稲

田中稲
ライター・田中稲さん
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1969年生まれ。昭和歌謡・ドラマ、アイドル、世代研究を中心に執筆している。著書に『昭和歌謡 出る単 1008語』(誠文堂新光社)、『そろそろ日本の全世代についてまとめておこうか。』(青月社)がある。大阪の編集プロダクション・オフィステイクオーに所属し、『刑事ドラマ・ミステリーがよくわかる警察入門』(実業之日本社)など多数に執筆参加。他、ネットメディアへの寄稿多数。現在、CREA WEBで「勝手に再ブーム」を連載中。https://twitter.com/ine_tanaka

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