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【元メガバンク支店長が解説】親の資産を知らないのはリスク!無価値な土地を相続して税を払い続ける例も

「エンディングノート」を活用して絆を深め、資産も知る

では、どのようにすれば、親から自然とお金の話を引き出すことができるのでしょうか。その方法として菅井さんが提案するのが、「エンディングノート」です。

「エンディングノートといえば、人生が終わるときに備えて高齢者が書くものというイメージをお持ちかもしれません、しかし、まだまだ若いうちに活用したっていいんです。私だって50歳くらいから、積極的に活用しています」

まずは自分がエンディングノートを書いて親に見せることで、親にも書いてもらいやすくなるのだそうです。

エンディングノートや保険証券
自分が書いたエンディングノートを見せることで、親にも書いてもらいやすくなる(Ph/photoAC)
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人生を振り返りながらエンディングノートを書く

書店や文房具店で売っているエンディングノートを購入したら、「預金」「保険」「不動産」など、資産を書き込む欄に注目しましょう。ここに現状の金額を記入します。

「病気や、介護が必要になったときの対応、葬儀の希望などを書くページは、夫婦で話し合ってもよいですし、『自分の考えを整理する』ためにとても役立ちます」

また、資産内容に変更があった場合は、その都度書き直していきます。誕生日など、定期的に見直す日を作るのもよいでしょう。自分史や家系図を書くページもあるので、人生を振り返りながら楽しんで書くのがいいそうです。

自身のエンディングノートが親にも書いてもらうきっかけに

こうして、自身の資産や考えをまとめたエンディングノートを親に見せれば、それをきっかけに親にも書いてもらうことができるでしょう。

子どもが自分の誕生日にエンディングノートを親に見せ、『「これまで育ててくれてありがとう」といえば、喜ばない親はいないでしょう」と菅井さん。

「自分の子がエンディングノートを書いてきたら、親は『えっ!まだ若いこいつが書いたのか』と、かならずギョッとしますよ。そして、『しょうがない。オレも書くとするか』という気持ちになるのではないでしょうか」

しばらくしたら、さりげなく「書いてみる?」とエンディングノートを渡します。2~3か月放っておいて、親がペンをとろうとしなければ、「手伝ってあげるよ。まず、自分史のところはどう?」と申し出てみてください。

老夫婦と若い夫婦
いきなりお金の話をせずに、ヒストリーから聞くのがポイント(Ph/photoAC)
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最初から資産の項目ではなく、まずは親のヒストリーを聞くのがポイントです。記者になったつもりで話を聞き、それを記入していきます。

「実はこれ、最高の親孝行なのです。親からすれば、自分の過去輝かしい思い出や苦労話を聞いてもらえるのは、とてもうれしいことです」

エンディングノートを活用することで、よりよいコミュニケーションをはかることができ、その結果として親の経済状況を知ることができれば、一石二鳥なのです。

◆教えてくれた人:菅井敏之さん

スーツを着た男性
菅井敏之さん
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すがい・としゆき。1960年、山形県生まれ。学習院大学卒業後、1983年に三井銀行(現・三井住友銀行)へ入行。個人・法人取引、およびプロジェクトファイナンス事業に従事し、2003年に金沢八景支店長(横浜)、2005年に中野支店長(東京)に就任する。48歳で銀行を退職したのちアパート経営をスタートし、現在は10棟80室のオーナー。銀行を舞台にしたテレビドラマの銀行監修を務めるほか、報道・情報番組などのメディアにもお金の専門家として出演している。著書『お金が貯まるのは、どっち!?』シリーズ(アスコム)はシリーズ52万部を突破。https://toshiyukisugai.jp/

『一生お金に困らない!新・お金が貯まるのは、どっち!?』(アスコム)の書影

『一生お金に困らない!新・お金が貯まるのは、どっち!?』(アスコム)

●元メガバンク支店長が語る「親とお金の話をする」ことが親孝行になる理由

●エンディングノートはなぜ必要か?「記入の優先順位はお金」である理由

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