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青木さやかが自己肯定感を高めるためにやった「断捨離」、「ものを大事にすることで、自分を大事にする訓練になる」

青木さやか
断捨離によって自己肯定感が高くなったという青木さやかさん
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9月に『50歳。はじまりの音しか聞こえない: 青木さやかの「反省道」』(世界文化社)を上梓した、タレント・作家として活躍中の青木さやかさん(50歳)。50代を目前に大失恋を経験し、自身の変化について書き下ろした本書で、青木さんは「自己肯定感を上げる」ことが人生のテーマでもあると語っています。そこで、青木さんに大きな影響を与えたという「断捨離」と自己肯定感の関係について、詳しく教えてもらいました。

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“今”必要かどうかだけで判断する「断捨離」

「自己肯定感が低いと、やっぱり生きづらいなって思うんですね。具体的には私の場合、自分のことが大事に思えないから、自分が一番大事に思いたい娘のことを大事に思うのが難しいと気づいて、そのときに初めて本当に自己肯定感を上げたいって思ったんです」と青木さん。

とはいえ、自分を褒め、自己肯定感を上げることは容易ではないと青木さんは感じていたといいます。そんな悩みを抱えていた青木さんが変わるきっかけの1つになったのが、「断捨離」という言葉を作ったやましたひでこさんとの出会いだったそうです。

「自己肯定感を上げるための訓練をわかりやすくできるのが断捨離。自分の所有物一個一個と向き合って、これを大事にするのか、さよならするのか、誰かにあげるのかってことを自分で判断する。その作業は、今を見つめるということなんです。

過去でも未来でもなくて、“今”必要かどうかということだけで判断するんですよ。“今”っていうのは、1年前から1年後でもいいし、1日前から1日後でもいいし、それは各自で決めればいいんです。とにかく、今自分に必要なのかっていうことを考える儀式なので、それが自分の感情も整理にもつながってくるんです」(青木さん・以下同)

青木さやか
断捨離は今の自分を見つめる作業だと語る青木さん
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その繰り返しが「自分のものを自分が大事にすることで、自分を大事にする訓練になる」なのだといいます。ちなみに、ものが多く、「みえないところに物が押し込まれている感じがする」と、家を訪問したやましたさんに見抜かれたという青木さんですが、最初から「今必要なもの」の判断をスムーズにできたのでしょうか。

「いやいや。すごく難しいし、疲れますよね。だって、大事だから捨てたくないわけで。そこで、なんで大事なの?ってことを考えるんです。それは、“高かった”とか“もう買えないかもしれない”というネガティブな理由なんですよ。過去高かったものに執着してるわけですよね。でも、今使っているものがあって、捨てるか悩んでいるものを使っていないとなったら、本当は要らないんです。必要になったら、また買えばいい。大体捨てられないのは、過去か未来を考えているからなようで。痩せたら着られるかもとか、いつか出番があるかもっていう不確かな未来のためにずっとしまっておくというのは、物に対して失礼だという考え方もあるんだよ、って教えてもらいました」

断捨離初心者に冷蔵庫の整理がおすすめの理由

苦しい決断をして物を手放す時期を越えていくと、過去や未来よりも今の自分を大切にできるようになり、きれいな場所で過ごすことで、心も穏やかになっていく効果があるようです。

「でも、物ってやっぱり増えますから、毎回毎回、物が増えてきたなと思ったら、また断捨離しながら。これはずっと続くことなんだろうなって思いますけどね」

そんな青木さんが断捨離初心者にまずやってみるといいと話すのが、冷蔵庫。その理由とは?

「なぜかというと、あまり感情を入れずにできるからだそうです。消費期限が切れているから仕方ない、とか、このジャムはあまり口に合わなかったからもういいかな、とか。思い入れが少ないぶん、一番やりやすくて、きれいにしやすい」

冷蔵庫の中
ディスプレイのイメージでものを収納しているという青木さん宅の冷蔵庫(Ph/青木さやかさんInstagramより)
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きれいな場所ができると、気持ちも上がって、自分のことを褒めてあげたり、認めてあげる気持ちも高まっていきます。

「私はひでこさんから“冷蔵庫はディスプレイする”って教えてもらったんですが、ぎゅうぎゅうに詰めたりしないで、ディスプレイしてるんだってイメージで物をしまうようにしています。その発想で入れたら、すごくスッキリしてとってもいいと思います」

目に見えないところをきれいにする方がスッキリする

くじけづらく続けられる場所から始め、徐々にレベルアップしていくのがおすすめ。だんだんと家の中がきれいになり、身の回りには自分が大切にしたいと思ったものだけが残っていくことで、自己肯定感も高くなっていくそうです。

「面白いなって思うのは、目に見えるところよりも、戸棚の中とか目に見えないところをきれいにする方がスッキリするんですよ。見えないところ、見せたくないところに問題があるんだからって、ひでこさんはおっしゃるんですけども、実際そうだなって思うんですね」

断捨離で普段隠れているところを整えることで、見えないところにある問題に自然と向き合うこともできるのかもしれません。

「品物が山積みになると書いて、ガンって読むとどなたかに教わって。だからというわけじゃないですが、やっぱりスッキリしたお家って気持ちがいいですよね。断捨離はどんな人でも効果を感じることができると思うので、ぜひやってみられるといいんじゃないかと思います」

◆タレント・女優・青木さやかさん

青木さやか
タレント、作家として活躍する青木さやかさん
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1973年3月27日生まれ。愛知県出身。タレント・俳優・エッセイスト。大学卒業後、フリーアナウンサーを経てタレントになり、「どこ見てんのよ!」のネタでブレイク。2007年に結婚、2010年に出産、2012年に離婚。現在はバラエティー番組やドラマ、舞台などで活躍し、動物保護活動にも力を注いでいる。著書に『母』(中央公論新社)、『厄介なオンナ』(大和書房)、『母が嫌いだったわたしが母になった(KADOKAWA)など。最新著は『50歳。はじまりの音しか聞こえない: 青木さやかの「反省道」』(世界文化社)。https://twitter.com/aokisayaka0327

撮影/黒石あみ

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