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青木さやかが今振り返るキレキャラ「私にはいいエネルギーには繋がらなかった」

青木さやか
新エッセイを上梓した青木さやかさん、”キレキャラ”などについて振り返った
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“キレキャラ”でブレイク。その後もさまざまなテレビ番組で活躍しているタレントの青木さやかさん(49歳)。最近ではエッセイ『母』が注目を集め、3月には”厄介な”自分自身を赤裸々に綴ったエッセイ『厄介なオンナ』(大和書房)を出版しました。そんな青木さんに、芸人の“容姿いじり”や“キレキャラ”などついて語ってもらいました。

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何を言われても平気でいる余裕を持ちたい

私がタレントとしてテレビに出始めた1990年代は、容姿がいじられることは当たり前だったと思います。先輩方も愛情がなければいじる、という事はされないと思いますので、嫌でしたがありがたかった。有り難いけれど、傷つきながら笑っていただき、お金を頂いていたというところでしょうか(笑)。

青木さやか
”容姿いじり”で傷ついたことも
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容姿いじりだけでなく、私は多くのことで直ぐに傷つきました。何がないって、余裕がない!人って状況や体調で感じ方も変化しますから、昨日笑っていられたことが今日は泣いてしまうなんてこともありますし。今は、人には優しくしたい。と同時に何を言われても平気でいる余裕を持ちたいと強く思います。そうすればきっと最強になれる。

喜怒哀楽の「怒」を手放すことにした

キレキャラとしてテレビに出させていただきました。女子アナになれなかった僻みや、若さや美しさに嫉妬してアイドルにキレたり、毎日怒っていましたよね(笑)。エネルギーがいります。

青木さやか
「怒」が青木さやかを人気者にしてくれたとも語る
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とにかく打ち合わせではキレてください、と言われ、理由もなくキレてくださいなんてなんなんですか?と、打ち合わせでキレる、という最悪な時間、最悪な私でした。持ち前の自己肯定感の低さも手伝ってか、私のことを理解してくれる人なんていないのだ、味方は誰もいない、一人なんだ。と、ああ早くみんな私を忘れて~と願っていました。

今、客観的に思うと、キレキャラというのは自分で始めたことなんですけどね、私にはいいエネルギーには繋がらなかったと思ってます。ある時、一念発起して、喜怒哀楽の「怒」を手放すことにしました。勇気がいりました。シャイな私には「怒」の感情を表現するのがラクでしたし、「怒」は青木さやかを人気者にしてくれましたから。

病気をきっかけに「悪口を言わない」「嘘をつかない」

自己肯定感の話をしましたが、何しろ自分を褒めた事がないものですから、どれだけ頑張っても合格点を出せないのは苦しかったですね。褒められれば褒められるほど信じられない。どうせ、私なんか、仕事終わりでスタッフさんに見送られるのも嫌で、裏口からそっと帰ったりしたこともありましたね。厄介!(笑)。

青木さやか
病気をきっかけに考え方が変わったという
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こういったお仕事をしていると、色々言われることがあります。これは本当ではないのにな、と思うこともありますが、病気(パニック障害)をきっかけに見直しをしました。悪口を言わない、嘘をつかない、評価しない、人を嫌わない。最初は、私って口をひらけば何かの評価ばかりだわ!と愕然とし、じゃあどうすれば?と、とりあえず誰とも話さずにいた時期もありましたね。

◆タレント・女優・青木さやかさん

青木さやか
タレント・女優・青木さやかさん
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1973年3月27日生まれ。愛知県出身。大学卒業後、フリーアナウンサーを経てタレントになり、「どこ見てんのよ!」のネタでブレイク。以降、バラエティー番組やドラマ、映画、舞台、エッセイの執筆など幅広く活躍中。近年は動物の保護活動にも力を注いでいる。今年3月、容姿いじりやパニック障害のことなど、自身を赤裸々に語るエッセイ『厄介なオンナ』(大和書房)を出版。https://twitter.com/aokisayaka0327

撮影/浅野剛 取材・文/小山内麗香

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