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老後に向けて家をどう選ぶ?「こんなはずじゃ…」にならないために住む前にチェックしたいポイント

家の模型とノート、電卓
老後に住む家のチェックポイントは?(Ph/photoAC)
写真6枚

老後の生活を大きく左右する住宅問題。家賃の支払いが大きな負担になってしまったり、老後に住むには利便性が低かったりなど、老後に後悔する家は避けたいものです。そこで、老後に向けて賃貸住宅を選ぶ際のポイントや隣人トラブルを避けるためのチェックポイントを、節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんに教えてもらいました。

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老後は長く住むことができる家を選ぶこと

まず、金銭的にも環境的にも「老後に長く住めそうか」ということを念頭において家を選ぶようにしましょう。選んだ家が合わなかった場合は引っ越すこともできますが、引っ越しはお金もかかりますし、なかなかの重労働なので、避けるに越したことはありません。

年金で払い続けられる家賃か

まずは家賃が年金で払い続けられるかどうかをチェックしましょう。自分が老後にいくら年金をもらえるのか、「ねんきんネット」で確認して検討してみてください。一般的には、家賃が収入の3分の1程度であれば問題ないとされています。

年金手帳と現金、電卓
賃貸の場合、年金で家賃を払い続けられる?(Ph/photoAC)
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生活に必要な場所に老後も歩いて行ける距離か

スーパーや駅など生活するうえで必要な場所に、車や自転車、バスを使わないと行けない場合は避けたほうがいいでしょう。元気なうちは問題がなくても、車や自転車に乗ることが難しくなったり、バスの路線が廃止になったりすると、老後に移動手段がなくなってしまう可能性があります。

管理の行き届いたマンションがおすすめ

老後の家選びでは、基本的には管理の行き届いたマンションを選ぶのがおすすめです。自治体の持ち回りでの掃除など、自助努力で管理している場合、徐々に身体への負担が大きくなったり、非協力的な人が増えて周囲環境が荒れてしまったりすることも考えられます。

マンションの外観
老後に住むなら管理会社が入っているマンションの方がベター(Ph/photoAC)
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ただし、管理費が設定されているマンションを選んでも、きちんと管理が行き届いていないケースもあります。入居を決める前に、共用部の蛍光灯などが切れたままになっていないかどうかを確認しましょう。蛍光灯が切れたまま放置されている場合、きちんと管理が行き届いてない可能性が高いです。

隣人トラブルを避けるための周囲環境のチェックポイント

誰しも避けたい隣人トラブルですが、事前に住宅の周囲環境をチェックしておくことで、リスクを抑えることができます。

共同で使用する場所を確認

最初にチェックすべきポイントは、郵便受け、ごみ捨て場、駐輪場といった、入居者が共同で使用する場所。

マンションの郵便受け
共有部がきれいに保たれていると安心(Ph/photoAC)
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郵便受けの周りが散らかっている、ゴミ捨て場が汚い、駐輪場のマナーが守られていない、など荒れた状態になっている場合、入居者側の住宅に対する意識が低く、後々トラブルになる可能性があります。

ごみ捨てルールも重要

ごみ捨てルールも重要です。このごみは何曜日の何時まで、とルールが厳しすぎる場合、出したいときにごみを出せずに溜めておかないといけなくなるリスクがあります。同様に他の入居者の家がいわゆるごみ屋敷状態になってしまう可能性もあり、最悪のケースになるとそこから発生した害虫が侵入してくるなどのトラブルも考えられます。

マンションのゴミ捨て場
ゴミ出しルールも生活スタイルに影響(Ph/photoAC)
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建物の周りからざっとベランダもチェックして、ゴミが放置されていないかをチェックし、なるべくなら、敷地内で24時間いつでもごみを出せる住宅が安心でしょう。

口コミを調べるのもおすすめ

「マンションノート」(https://www.mansion-note.com/)や「マンションレビュー」(https://www.mansion-review.jp/)といった、マンションの口コミ評価を調べることができるWebサイトもあります。気になる物件が見つかったら、一度調べてみるといいでしょう。

◆教えてくれたのは:節約アドバイザー・丸山晴美さん

丸山晴美さん
節約アドバイザー・丸山晴美さん
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節約アドバイザー。ファイナンシャルプランナー。22歳で節約に目覚め、1年間で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニの店長などを経て、2001年に節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザー、宅地建物主任士(登録)、認定心理士などの様々な資格を持ち、ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどをテレビやラジオ、雑誌、講演などで行っている。https://www.maruyama-harumi.com/

構成/新藤まつり

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