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いま注目!カード不要の「eSIM」とは?メリット・デメリット、ポイ活での活用法をFPが解説

QRコードを読み込んでいる
物理的なカードではなく、コードですぐ回線が開通するeSIM(Ph/photoAC)
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短時間でキャリア通信が開通可能で、手続きもオンラインで完結できる「eSIM(イーシム)」に注目が集まっています。これまでの物理的なSIMと併用すれば、1台のスマートフォンで複数の回線を持つこともできます。そこで、自身もeSIMで2回線使っているという節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんに、メリットやデメリット、活用法を教えてもらいました。

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SIMにはカードとコードの2種類がある

スマホやタブレットの端末からキャリア通信を可能にするには、これまではSIMカードをスマホの端末に挿し込む必要がありましたが、最近では「eSIM」と呼ばれる、カードのないSIMもあります。eSIMは、スマホにカードを入れる代わりに、QRコードを読み込んだり、専用コードを入力したりすることで、キャリア通信を開通することができます。

eSIMは開通までがスピーディー

SIMカードは、手元に届くのを3日~1週間程度待たなければならず、回線の開通まで時間が必要でしたが、カードが不要なeSIMは申し込み後、早ければ20分程度で開通できます。

取り出したSIMカード
開通まで時間が必要だったSIMカード(Ph/photoAC)
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eSIMは非対応の端末もある

便利なeSIMですが、端末によっては対応していないこともあります。キャリアによっても対応機種は異なるため、eSIMを使いたい場合は、まず自分の通信キャリアのページで自分の端末がeSIMに対応しているかどうか確認しましょう。IIJmioなどの格安SIM業者では、使用する回線タイプによっても対応端末が異なるため、注意が必要です(https://www.iijmio.jp/hdd/devices/)

デュアルSIMならひとつの端末で2回線使用可能に

eSIMを使えば、ひとつの端末で2回線持つこともできます。

2台のスマホ
ひとつの端末で2回線持つことができるメリットは?(Ph/photoAC)
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例えば大手キャリアでSIMカードを契約し、格安スマホの業者でeSIMを契約すれば、大手キャリアの無制限の話し放題プランを使って通話料を抑え、格安スマホの通信で安くネット回線を利用するといった切り替えもでき、それらのいいところどりも可能です。また、格安スマホを試してみたいけれど、いきなり切り替えるのは不安という場合にもおすすめです。

通信障害対策にもなるデュアルSIM

通信回線のキャリアを複数もつことのメリットとして、特定のキャリアが通信障害でしばらくつながらなくなってしまったときに、もう片方のSIMで通信ができることも挙げられます。過去の通信障害を受けて、保険として2回線契約する人も増えているようです。

スマホを持っている
2回線持つことで通信障害対策にも(Ph/photoAC)
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このように格安SIMで対策をとる場合、提供する事業者に注意しましょう。例えば、メインの回線をdocomoにしているなら、格安SIMはau回線を提供している事業者のものにするということです。

eSIMが使えてもデュアルSIMができない場合もある

ただし、デュアルSIMも対応端末と非対応端末があるので注意が必要です。eSIMが使える端末でも、デュアルSIMはできない場合があるため、きちんと調べるようにしましょう。

楽天経済圏の恩恵を受けながら別のキャリアも使用

私の場合は、元々使っていたdocomoのSIMカードに加え、楽天モバイルのeSIMを併用しています。docomoのプランは最小限にして価格をおさえつつ、電話番号やキャリアメールはdocomoのものを使用しています。

通信量使用量のイメージ
SIMカードとeSIMの併用でスマホ代を抑える(Ph/photoAC)
写真6枚

楽天モバイルは楽天ポイント(期間限定ポイント可)で料金を支払えるうえ、楽天モバイルを契約していることで楽天経済圏のポイントアップの条件も満たすため、楽天経済圏の人にとっては併用する恩恵が大きいでしょう。また、家族割もスタートしたので、家族で乗り換えてもお得です。

◆教えてくれたのは:節約アドバイザー・丸山晴美さん

丸山晴美さん
節約アドバイザー・丸山晴美さん
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節約アドバイザー。ファイナンシャルプランナー。22歳で節約に目覚め、1年間で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニの店長などを経て、2001年に節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザー、宅地建物主任士(登録)、認定心理士などの様々な資格を持ち、ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどをテレビやラジオ、雑誌、講演などで行っている。https://www.maruyama-harumi.com/

構成/新藤まつり

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