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節約YouTuberが明かす、お金が貯まらない人が知らず知らずのうちにやっている「無駄な出費」の根本原因

白いブラウス姿の女性
節約系YouTuberのふゆこさんが語る「無駄な出費」の根本原因は?
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奨学金を返済しながら、20代で1000万円の資産を築いた節約オタクふゆこさん。節約YouTuberとして開設したチャンネルの登録者数は52万人を突破。著書の『貯金はこれでつくれます 本当にお金が増える46のコツ』(アスコム)で、もともとは浪費家だったと語る彼女の思考を知れば、意外な支出が減り、貯金を増やすことができるかもしれません。ふゆこさんが節約の邪魔だと気づいた、“思い込み”について学んでみましょう。

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思い込みが無駄な出費の原因に

「固定観念にとらわれ、『こうあるべきなんだ』という思い込みに縛られていたといってもいい」と語るふゆこさん。「もうアラサーなんだし」という理由で高級コスメを購入したり、アラサー世代向けのトレンドファッションを買い揃えたりしていたそうです。

「でも、高級コスメもおすすめのファッションアイテムも『自分の意志』で選んでいるわけではないので、結局は『買っただけ』でまったく活用できませんでした」(ふゆこさん・以下同)

世間体を気にして出費したものは本当は不要?

今なら、使わないなら売るか捨てるという選択をするといいますが、当時は「高かったからもったいない」「いずれ使うかもしれない」と考えていたそうです。そして、部屋のなかは着ない服や使わないものであふれていたといいます。

過去の自分に対して、ふゆこさんは「ただ『世間体を気にしてお金を使っていただけ』だったのです」と振り返ります。

ブランド風のバッグ
大人だからこのくらいは…という思い込みが無駄な出費につながっているかも(Ph/photoAC)
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「オトナなのだから、こうでなければいけない」という思い込みは、誰しもあると思います。例えば、ブランドバッグやアクセサリーなどの装飾品は、本当に欲しいと思って購入したものだけが手元にありますか? また、効果があまりわからなくても「年齢的に…」と高価な基礎化粧品を使い続けていたりすることもあるのではないでしょうか。

「自分にとって必要なものか」自分に問いかける

「『◯◯すべき』や『普通は◯◯』は、“世間の声”を装った企業や広告が、巧みに私たちにお金を使わせようとしているだけなのです」とふゆこさん。

このような、知らず知らずのうちに刷り込まれている固定観念を基準に行動することを、ふゆこさんは“他人軸”の思考だと定義します。そして、“他人軸”の思考にとらわれずに、“自分軸”の思考ができることで、本当に自分が欲しいものもわかるようになるといいます。

ふゆこさん自身も「『お金を使おう』としているとき、それが本当に自分の意志によるものなのか、それとも世間の『普通』や『流行り』に流されているだけなのかを見極める作業は、私にとってはなかなか難しいものでした」と語っています。

ウインドウショッピングをする女性
流行に流された買い物をしていないか立ち止まってみて(Ph/photoAC)
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そこで、買い物をするとき、「これって、自分にとって必要なものかな?」と一旦立ち止まってみましょう。

「この問いかけにはっきりと答えられない買い物であれば、一度財布はバッグの中にしまいましょう。その物欲は、世間体や固定観念に流されているだけなのかもしれません」

この繰り返しによって判断ができるようになれば、「本当に必要なもの」以外は欲しいと思わなくなるため、ストレスの原因となる「我慢」をする必要もなくなるのだそうです。

自分軸で考えることで節約できたふゆこさんのエピソード

最後に、固定観念を取り払うことで大きな節約ができた、ふゆこさんのエピソードを1つ紹介します。

社会人になったころのふゆこさんは、下記の条件を満たした物件を選んで一人暮らしを始めたそうです。

・職場まで20分以内で飲食店なども豊富で便利なところ
・できるだけ都心へのアクセスがいいところ
・築浅(5年以内)
・オートロックつき
・1K8畳以上

上記の条件を満たしていたものの、6万円の家賃をやや高いと感じていたふゆこさんは、それまで暮らしていた実家と同レベルに条件を下げて物件を探してみることにしました。

・職場まで車を使って20分、近くに繁華街などはなし
・築27年
・2DK
・オートロックなし

パートナーとの同居を前提としたため、1Kから2DKへと条件が変わっていますが、個人のスペースは以前と同じまま、家賃はなんと4万3000円まで下がったといいます。

家の模型と一万円札
自分にとって本当に譲れない条件は何か?を考える(Ph/photoAC)
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もちろん一人暮らしかそうでないかで、オートロックなどの必要性は変わってきますし、重視する点は人それぞれです。

ただ、ふゆこさんは6万円の家に住んでいたときも、頻繁に友達が訪れたり、近くの繁華街に行きつけの店やコミュニティがあったりするわけでもなく、また、都心に出かけることも年に数回だったため、築年数が古いことや立地についてはまったく気にならなかったといいます。

「結局私は住むところについても、自分軸ではなく、なんとなくの世間体や見栄で選んでいたのだなということがよくわかりました」

住居に限らず、自分にとって必要なもの、本当は不要だったものについて改めて考えてみることが、節約につながるかもしれません。

◆教えてくれたのは:節約オタクふゆこさん

節約・投資系YouTuber。理系の大学院修了後に開発職として電子系メーカーに就職したものの、将来のお金に対する不安をきっかけにお金について学ぶ。その後、奨学金477万円を返済しながら年間300万円を貯金、20代で資産1000万円を達成。2021年から運営しているYouTubeチャンネル「節約オタクふゆこ」のチャンネル登録者数は2024年1月現在、45万人を超える。日常的な節約法のほか、初心者向けの投資に関する動画も配信し人気を集めている。https://www.youtube.com/@fuyuko_money

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