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《都知事選ルポ》67歳オバ記者が迫る“石丸伸二氏の人気” 街頭演説に集まる意外な人たちと彼が聴衆に向かって訴えていること

オバ記者
街頭演説には60代以上と思われる人もけっこういた
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東京都知事選に出馬した前安芸高田市長の石丸伸二氏(41歳)が注目を集めている。小池百合子都知事(71才)、蓮舫前参議院議員(56才)による二強対決と思われたが、石丸氏はネットを中心に支持を拡大しているという。以前から毎日のように安芸高田市の議会の様子をYouTubeでチェックしてきたオバ記者こと野原広子(67歳)は、石丸氏の街頭演説をどう見たのか。

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「“彼女”との会話が苦手なんですよ」

私が石丸伸二さんに会ったのは、6月5日。“明日は退任式”という、広島県安芸高田市の市長最後の日こと。『女性セブン』誌上でインタビューをしたいと申し込んだら、あっさりOKしてくれたのよ。

市役所の市長室のドアを開けたら、ネットで見るよりシュッとした印象の石丸さんがニッコニコと笑っていて、名刺を出したら「オバ記者? オバ記者ってぼくはどこかで見ていますよ」なんてうれしいことを言ってくれちゃって、キャッ! いきなりハートをつかまれちゃった。

今話題の石丸伸二さんとオバ記者
女性セブンの取材で伺った時の石丸伸二氏とオバ記者。石丸氏のスーツは「エディフィス」製だという(撮影/楠聖子)
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約1時間印象は”こんな人、見たことない”だね。私も長いことインタビュアーをしてきたけど会ってすぐに「この人は何を聞いても答える」と思った人はそういないんだよね。最初の一問一答で「苦手なことは?」と聞いたら「親しくなった女性、つまり彼女ですよ。彼女との会話が苦手なんです」なんて言われたらさ。「それ、突っ込まないわけにいかないじゃないですか!」と言うと石丸さん、「そりゃそうですよね」と大爆笑。あとは直球に次ぐ直球の質問をすると、石丸さんもこちらのミットめがけて直球を返してくるんだわ。

書店には石丸さんの著書がズラリ
安芸高田市の書店には石丸さんの著書がズラリ
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会いたいと思い続けていたあの人に会いに広島県へ行ってきたオバ記者
石丸伸二さんに会いに広島県まで出向いたオバ記者
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5時間を超える長旅だけど鉄子の血が騒ぐ
5時間を超える長旅だった
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「意外なことに私と同世代がけっこういる」

その2週間後、選挙戦が始まり、うちから徒歩圏内の秋葉原駅前で街頭演説をするとネットで告知があったので出かけてみたの。1時間前、人もまばらだった秋葉原の駅前広場は30分前には人、人、人。年齢層はYouTubeで人気になった人だから若めなのは想定内だけど、意外なことに私と同世代? 白髪、薄毛の人もけっこういるんだわ。

「秋葉原のみなさん、こんにちは。石丸伸二です」

多くの人が政策の話に耳を傾けた
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選挙カーの上から石丸さんが声を上げると、ぱちぱちと拍手! 「石丸さ〜ん」と声を張り上げる女性もいるにはいるけどほとんどは彼の話す「これからの日本にとって大事な投資は子供たちへの教育です」という政策の話を聞いているのよね。

オバ記者
最近は石丸伸二氏の遊説スケジュールをチェックして出かけているオバ記者
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で、街頭演説が終わると選挙カーから降りて、みんなとハイタッチ。その人たちを整理する年配の女性に後から話を聞いたら「71歳で生まれて初めてボランティアに参加したんです。毎日、もう、楽しくて楽しくて」だって。そういえば石丸さんも「みなさん、応援してくださいとは言いません。選挙を楽しんでください。」と言っていたっけ。

オバ記者
国会議事堂でもアルバイトを続ける
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小池都知事が初出馬した8年前の光景は忘れられない

いやいや、言われなくても(笑い)。実は私、8年前の小池百合子都知事が初めて都知事選に出た時に”追っかけ”をしているんだよね。あのときの彼女はほんとうに生き生きしていて勢いがあって、まさに、時の人! 自民党に真っ向からケンカを売って”のるかそるか”の大勝負でね。最終日の最後の演説をした池袋東口の広場の光景は忘れられない。

野外コンサート?というくらい集まった人の中にいた私がふと横を見たら初老の女性が「必ず勝ってほしいわ」と言いながら涙を浮かべていたっけ。小池さんも「こんな池袋、見たことがありませーん」と言いながら涙を拭いていたのよ。

オバ記者
夕方にもかかわらず石丸氏の街頭演説に東京駅前にはたくさんの人が集まった
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あれから8年。月日が流れて、今回は41歳の4年前まで銀行員だった石丸さんが小池都知事にガチの戦いを挑んでいる。で、私はちょっと時間があるとスマホに流れてくる石丸さんの遊説スケジュールを見て出かけていっているの。

で、日を追うごとに石丸さんの演説を聞きに集まる人の波が大きくなっていくのは、8年前の小池さんの時以上。ん? これはもしかしたら東京、動くか? なんてね。久しぶりに胸が高鳴っている67歳なのでした。

オバ記者
今夢中なのは原チャより都知事選
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◆ライター・オバ記者(野原広子)

オバ記者イラスト
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1957年生まれ、茨城県出身。体当たり取材が人気のライター。これまで、さまざまなダイエット企画にチャレンジしたほか、富士登山、AKB48なりきりや、『キングオブコント』に出場したことも。バラエティー番組『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)に出演したこともある。昨年10月、自らのダイエット経験について綴った『まんがでもわかる人生ダイエット図鑑 で、やせたの?』を出版。

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【405】67歳オバ記者、都知事選出馬表明した石丸伸二さんの取材で安芸高田市へ 会いたかった理由と「67歳にはきつかった」過酷スケジュールについて

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