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歩くだけで不調も改善!?「インターバル速歩」の簡単レベルアップアレンジ2選

生活の中で欠かせない「歩く」という行動。せっかくならだらだら歩くより、筋肉を鍛えることができる歩き方を意識してみては?

立っている女性と足を踏み出している女性のイラスト
イラスト/Getty Images
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医学博士、信州大学医学部特任教授の能勢博さんが提唱する「インターバル速歩」は、無酸素運動と有酸素運動の効果を同時に得ることができるメソッド。週120分行うだけで、ダイエット効果や筋肉の減少による不調の改善が期待できる。

最高の歩き方 やせる! 若返る! 疲れにくくなる!

そこで、能勢さんの著書『最高の歩き方』(世界文化社)から、「インターバル速歩」のルールとレベルアップする方法2選を紹介する。

→「インターバル速歩」のメリットや基本のやり方はコチラ

「インターバル速歩」は早歩きとゆっくり歩きを繰り返すだけ

カラフルな足跡のイラスト
イラスト/Getty Images
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「インターバル速歩」では、緩急をつけて歩くのがポイント。早歩き中は筋肉がフル稼働して、どんどん乳酸がたまる。それによって筋肉は思うように力を出せなくなるけれど、ゆっくり歩きをはさむことで乳酸が筋肉から流れ出し、3分後にはまた早歩きができる程度まで解消する。

◆早歩きのコツ

早歩きの基準は人にとって異なり、時速何kmという決まりはないので自分の体力の70%程度の速度で歩くこと。これは2分以上歩いて、「ちょっときついな」と感じる程度の速度。なんとか会話ができるくらいを目安に。人と比べての速いか遅いかは関係ないので、自分の感じ方を大切に。

◆ゆっくり歩き

早歩きのあと、ガクンと速度を落として歩きながら、体調の確認を。普段と同じくらいの速度か、やや遅いくらいでOK。歩きながら心拍や足腰の痛みなど、全身をチェックしてみて。無理は禁物なので、異変を感じたらそこで中止を。

「インターバル速歩」のレベルアップ・坂道

坂道の多い地域は平地に比べて負荷が高くなるため、レベルアップに最適。これまでの速歩に慣れてきたら挑戦を。

◆坂道での歩き方

最初に「ややきつい」と感じた速度を続けていると、だいたい3か月程度でその速度に慣れてしまい、効果が薄くなってくる。そうなったら、一度リセット。「ややきつい」と感じる速度にスピードアップして、次回からはその速度で歩くように。

コースに上り坂を組み込むのもよい方法。最初はごくゆるやかな坂道で、通常の「インターバル速歩」のスピードで。数か月後に余裕が出てきたら速度をあげるか、坂道の斜度をあげるというように、少しずつレベルアップを。

ただし、いきなりきつい坂道を設定すると体への負担が大きくなりすぎるので、自分の体を過信しすぎず、5~6か月単位でレベルアップしていくこと。

腕を振り、歩いている女性
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・下を向きがちなので、上る先を見るよう心がけよう。
・上半身はあまり前に倒れすぎないように。

腕を振り、坂道を登る女性
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・肘が伸びてしまいがち。90度をキープして、意識的に腕を引こう。
・足裏全体で着地するイメージでOK。かかと着地にこだわるとバランスを崩しやすい。
・歩幅は平地よりもせまくなるが、無理しすぎず姿勢が崩れないように広げよう。

◆下り坂はNG

下りは体重や速度がダイレクトに膝・腰へと伝わり、トラブルの原因になりかねないため、「インターバル速歩」では、できるだけ下り坂をコースに組み込まないように。やむを得ない場合はゆっくり歩きで下ること。

「インターバル速歩」のレベルアップ・階段

マンション住まいの人や会社務めの人は、建物の階段を使って1段階上の負荷をかけてみることもできる。

◆階段の上り方

階段では歩幅を広く取れないけれど、段差の高さを選べば負荷を調節できます。ただ、段差をあまり高くすると体への負担も一気に上がってしまうため、少しずつ進めていくように。

欠点は長さが限られていること。速歩=階段オンリーにするのは難しい。そこで、「ややきつい」速度に慣れた頃をめどにコースを少し変更して、階段のある道を組み込んでみるのもひとつの方法。短い階段でも、いつもと違う負荷、いつもと違うコースになるため、新鮮な気持ちで臨めるはず。

階段を登る女性
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・上る先を見るように顔をあげる。
・手すりがある場合はつかんで支えに。ただし、腕の力は使わない。
・手すりと反対の手は90度のままキープして、しっかりと引くこと。
・後ろの足は、全身を持ち上げる気持ちで膝をしっかり伸ばす。
・足裏全体で着地するようなイメージで。

◆下り階段はNG

下りの階段では片足に全体重が乗る瞬間があるため、膝への負担が格段に大きくなる。関節痛がある人はもちろん、健康な人でも無理は禁物。できるだけ避けるか、ゆっくり歩きで下るかで対応を。

教えてくれた人:能勢博さん

医学博士、信州大学医学部特任教授。画期的な効果で、これまでのウォーキングの常識を変えたと言われる「インターバル速歩」を提唱。信州大学、松本市、市民が協力する中高年の健康づくり事業「熟年体育大学」などにおいて、20年余りで8700人に運動指導をしてきた。『ガッテン!』『ラジオ深夜便』(共にNHK)などマスコミ出演も多数。著書に『いくつになっても自分で歩ける!「筋トレ」ウォーキング』(青春出版社)、『ウォーキングの化学』(講談社)など。
http://soar-rd.shinshu-u.ac.jp/profile/ja.HUyVuUkh.html

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