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肉料理の旨みを引き出す9つのテク|ひき肉は手で練らない、ソースは肉の”焦げ”で作る

メイン料理が上手くできると、それだけで満足できるもの。でも、絶対に失敗できないと思って無難になりがちでもあります。そこで、プロが使うテクニックを使えば、驚くような仕上がりに。パリでフランス料理を学んだ料理研究家の脇雅世さんが、9つのテクニックとレシピを教えてくれました。

「加熱の仕方、火加減を変えるだけで、おなじみのメニューもおいしさが格段にアップ!基本は強火で一気に焼かず、強めの中火でじっくり焼くこと。硬くなる前に木のボードなどに取り出し、数分余熱で火を通すと厚めの肉もジューシーに仕上がります」(脇さん・以下同)

肉や魚も絶妙の焼き加減で、ギュッと旨みを閉じ込めた一皿をいただきましょう!

【1】肉も魚も焼く前に室温に戻す

「冷たい状態で焼くと身が縮んで硬くなる上、中は生焼け、外は焼きすぎになりがち。冷蔵庫から出して室温に戻しておくと、火の入り方が均一になります」

【2】魚、豚、鶏は調理前に塩を振る

「塩には食材から水分を引き出す効果が。水分の多い魚や豚、鶏肉は調理前に塩を振ることで水分と一緒にくさみが出て、味も締まります。約10分で表面が汗をかいたようになるので、キッチンペーパーで拭き取り調理を」

キッチンペーパーで魚の水分を拭いている
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【3】バター焼きはバターで焼かず仕上げに絡める

「バターは焦げやすいのが難点。バターソテーを作るときは、まずサラダ油などで焼き上げ、仕上げに溶かしたバターを絡めると、失敗なくバターの風味が生かせます」

バターを最後に入れたソースをムニエルにかけている
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【4】肉は水分がにじむまで裏返さない

「肉を焼くとき頻繁にひっくり返すと肉汁が流れ出て、パサつきの原因に。強めの中火で焼き、肉の表面に水滴がにじんできたら裏返すタイミング。にじんだ肉汁がピンク色でも、少し休ませれば余熱で火が通って硬くならず、食べる頃にはよい焼き加減になります」

肉が焼けても裏返さずじっと焼いている
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基本の「ポークソテー」レシピ

絶妙な焼き加減で、ジューシーな仕上がりに!

ポークソテー
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《材料》(2人分)

豚ロース…2枚(280g)
塩…小さじ1/4弱
こしょう…少量
小麦粉…適量
サラダ油…小さじ2
A[酒・水…各大さじ2 しょうゆ…小さじ2]
キャベツ(せん切り)…2枚
トマト(くし形切り)…1/2個

《作り方》

【1】豚肉は筋切りをし、両面に塩を振って5~10分おき、水気を拭く。
【2】【1】の両面にこしょうを振り、小麦粉を薄くまぶす。
【3】フライパンにサラダ油を中火で熱して【2】を入れ、焦がさないようフライパンを揺すりながら片面各3分焼き、側面の脂身も焼く。
【4】フライパンの油を除き、混ぜ合わせたAを加えて煮立てながら肉に絡め、ソースとともに器に盛る。キャベツ、トマトを添える。

【5】少量の玉ねぎは炒めずレンジ加熱

「ハンバーグやオムレツなどに使う玉ねぎは、少量だと炒めているうちに水分が蒸発してパサパサに。レンジ加熱なら水分を逃さないので料理がジューシーに仕上がる上、時短にもなります」

みじん切りにした玉ねぎをレンジ加熱している
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【6】ひき肉は手で練らず箸で混ぜる

「ひき肉を混ぜるときに手で練ると、体温で脂が溶けてしまい、肉本来の食感や旨みを感じにくくなります。成形する際にしっかりまとめるので、ひき肉とほかの食材を合わせるときは菜箸で、なじむ程度に混ぜれば充分です」

ボウルに入ったひき肉を箸で混ぜている
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【7】ソースは肉の“焦げ”で作る

「肉を焼いたフライパンでソースを作る場合、油は軽く除きますが“焦げ”は捨てずに生かします。旨みが凝縮した“焦げ”に調味料を足すことで、味に深みとコクが出ますよ」

肉を焼いた後のフライパンに調味料を入れてソースを作っている
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基本の「ハンバーグ」レシピ

さまざまなテクニックを駆使して作ったハンバーグは、専門店の仕上がり。歯ごたえのある肉の旨みがジュワ~ッ。

ハンバーグ
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《材料》(2人分)

合いびき肉…250g
玉ねぎ…1/2個
サラダ油…小さじ1
フライドポテト…適量
A[生パン粉…15g 牛乳…大さじ2 こしょう…少量 塩…小さじ1/3 卵…1/2個]
B[ケチャップ・水…各大さじ2 ウスターソース…大さじ1]

《作り方》

【1】玉ねぎはみじん切りにし、耐熱ボウルに入れてラップをかける。電子レンジ(500W)で3分加熱し、粗熱をとる。
【2】【1】にひき肉、Aを入れて箸で混ぜる。まとめてボウルの底に2回打ちつけ、2等分にする。
【3】【2】を手の平に打ちつけて空気を抜き、小判形に成形する。
【4】フライパンにサラダ油を熱し、【3】を入れて中火で焼き、焼き色がついたら裏返す。水大さじ2~3(分量外)を加え、蓋をして8~10分焼き、器に盛る。
【5】フライパンの油を軽く除き、Bを加えて煮立てる。焦げを漉し、【4】にかけてフライドポテトを添える。

【8】レンジ加熱は塩を均一に塗るとムラにならない

「電子レンジの熱は、塩に含まれるナトリウムに集中します。塩の振り方がまばらだと、加熱ムラの原因に。塩を酒などに溶かして食材に塗れば、まんべんなく行き渡るので、レンジ加熱も失敗なし」

耐熱容器に塩を溶かしている
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「味、火加減にムラのない蒸し鶏も簡単に作れます」

耐熱容器に鶏肉を置いている
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【9】牛肉は焼いてから塩を振る

「牛肉は魚やほかの肉に比べて水分が少なめ。加熱前に塩を振ると、肉汁が流れ出て硬くなってしまいます。焼き上がったら余熱で仕上げる際に塩を振り、肉汁を閉じ込めましょう」

肉に焼いてから塩を振っている
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教えてくれた人:料理研究家・脇雅世さん

パリでフランス料理を学び、家庭で作りやすいレシピを提案。『いちばん親切でおいしい低温調理器レシピ』(世界文化社)を12月に発売。

脇雅世さん
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撮影/尾田学

※女性セブン2020年12月10日号
https://josei7.com/

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