人間関係

【コロナ禍の夫のトリセツ】話を聞いてくれない夫に話を聞いてもらうための3つのルール

夫と気持ちよく話すための3つのルール

男性と気持ちよく会話するためには、戦略なしでは無理。そこで、コロナで家にいる夫を実験台にして、男性との対話術をマスターしてみませんか?

夫婦
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【1】3秒ルール

声をかけるとき、名前を呼んでから、本題に入るまで、2~3秒の間を入れましょう。

何かに気を取られている男性脳は、音声認識機能停止中と心得てください。「あなた、映画のチケット、とってくれるって言ったよね。あれ、とってくれた?」みたいなフレーズをいきなりまくしたてると、男性脳は、音声認識に失敗して、「ホエホエホエホエ、ホエフェッホ~?」みたいに聞こえているのです。したがって、「はぁ?」と聞き返されていや~な感じになる。

これを避けるために、「あなた、《2~3秒》、映画のチケット、とってくれるって言ったよね」のように、間を入れるのです。話始めがスムーズになり、イライラが減りますよ。

【2】結論からいう、数字を言う

男性脳は、目的のない話に弱いので、最初に、目的や結論を告げます。

また、数字を使うこともお薦めします。数字は、問題解決型の脳のカンフル剤。なぜか数字を入れると、意識が遠のく確率が減るからです。というわけで話の最初に、「お母様の7回忌について相談があるの。ポイントは3つ」のように導入します。

私は、自分の気持ちをとりとめもなく語るときも、この手を使います。

「これから、今日、私に起こった悲しい出来事を話してあげるね。あなたは優しいことばを返すこと。わかった?」。

すると、男性はミッションがはっきりするので聞いてくれます。ポイントは、「優しいことばを返す」という夫のアクションまで指定しておくことです。

【3】共感をルールにする

我が家では、最低限の共感を夫婦のルールにしています。「私がテンパってキーっとなったら、理由はどうであれ、夫は『大丈夫?』と言いながら私の背中を撫でる」というお約束。

いつだったか、夫自身の言葉で私がカチンときてキーっとなったとき、夫は何を思ったのか、とことこっとやってきて、「大丈夫?」って私の背中を撫でてくれました。「いやいや、だいじょばないよ。あなたのせいだし」と、心の中では思いましたが、ルールを切ないくらいに順守してくれる夫に、なんだか愛おしさを感じました。

男性は、ルール順守が好き。だから、ルールにしておく。

気持ちがないのに、いいのかって? これがけっこう大丈夫。人は案外、ことばだけでも、落ち着くもの。私のように、ルールを守ってくれること自体に愛しさが溢れることもありますしね。ぜひ試してみてください。

共感できる男性脳は12歳までに!モテる男子に育つかは母親次第

ところで、小さな男の子は、ママにうんと優しいことばを言ってくれるのに、いつの間に、夫のようになってしまうのでしょうか。

母と子供
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実は、思春期に分泌を増やす、男性ホルモン・テストステロンが、男性の脳を問題解決型に導いているのです。つまり、思春期を期に、夫のような脳に変わっていくわけ。

ただし、その前に、母と子の間で、十分に共感型の会話体験があると、男子は、大人になっても、韓流ドラマのイケメンたちのような優しい口を聞いてくれるのです。

ところが、日本の母親たちは、子供に対して命令と指図と叱責しか言わないことが多いように感じます。「学校、どう?」「宿題したの?」「早く風呂に入りなさい」「さっさと食べて。あー、こぼした!」なんて具合。これは実は、問題解決型の対話です。

日本の子育てには、日々、細かい目標がある。ちゃんとご飯を食べさせ、宿題をさせて、早く寝かせる。いい成績を取らせて、いい学校に入れる。さっさと目標をクリアしないといけないので、どうしたって、問題解決型の対話になってしまうんです。

◆子供とほんわかした優しい会話を交わすことが大事

男性脳を育てるという意味では、それは惜しい気がします。子どもと、ほんわかした優しい会話を交わす。「花が咲いてるよ」「風が気持ちいね」「全部食べたの。ありがとう、嬉しいわ」のように。駄々をこねた時も、「うるさい。言うこと聞かないと置いてくわよ」と言わずに「○○したいのよね。うんとわかる」と、せめて気持ちだけは受け止めてやる。

脳は、入力されなければ、出力できません。こういう優しい対話が入力されていれば、一生、女性との対話に困らない、モテ男子に育ちます。男の子をお育ての方は、夫だけではなく、息子の対話力も気にしてあげましょう。

教えてくれたのは:脳科学・人工知能(AI)研究者・黒川伊保子さん

脳科学・人工知能(AI)研究者・黒川伊保子さん
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株式会社 感性リサーチ代表取締役社長。人工知能研究者、随筆家、日本ネーミング協会理事、日本文藝家協会会員。人工知能(自然言語解析、ブレイン・サイバネティクス)、コミュニケーション・サイエンス、ネーミング分析が専門。コンピューターメーカーでAI(人工知能)開発に携わり、脳と言葉の研究を始める。1991年には、当時の大型機では世界初と言われたコンピューターの日本語対話に成功。このとき、対話文脈に男女の違いがあることを発見。また、AI分析の手法を用いて、世界初の語感分析法である「サブリミナル・インプレッション導出法」を開発し、マーケティングの世界に新境地を開拓した感性分析の第一人者。2018年には『妻のトリセツ』(講談社)がベストセラーに。以後、『夫のトリセツ』(講談社)、『娘のトリセツ』(小学館)、『息子のトリセツ』(扶桑社)など数多くのトリセツシリーズを出版。http://ihoko.com/

構成/青山貴子

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