趣味・カルチャー

歯科医師・石井さとこさん、ランニング始めて「年齢による限界」考えないようになった

人生100年時代を迎え、50歳はやっと折り返し地点。長い人生を趣味で彩りながら、健康寿命も伸ばしていきたいものです。

歯科医師・石井さとこさん

歯科医師の石井さとこさん(60歳)は、趣味のランニングをすることで食にも気を使い、体も心もより健康になったと話してくれました。

はるかに年上の人が走る姿に刺激を受ける

石井さんがランニングを始めたきっかけは、オーストラリアと日本を行き来していた30代後半にありました。

「オーストラリアに渡って娘たちが学校に通っている間、時間が空いてしまったんです。なにかすることはないかと探してみると、近くでマラソン大会があったんです。

自分よりはるかに年上の人たちが黙々と走っている姿を見て、心にズンとくるものがありました。気づけばその日のうちに、ランニングシューズを買っていました」(石井さん・以下同)

アシックスのシューズを愛用

店員にすすめられた商品は、日本のスポーツ用品ブランドであるアシックスの「ゲルカヤノ」というシリーズでした。

歯科医師・石井さとこさんのシューズ

「あなたは日本人なんだから、このブランドを誇りに思ったほうがいいと言われて、それからずっとこのシリーズを使っています。オーストラリア人はアシックス好きな人が多いんです。大陸だからか、日本より地面が固い感触がするのですが、この靴は性能がよくて足が疲れにくいんです」

オーストラリアのマラソン大会に出場

オーストラリアのマラソン大会に出るのを目標にトレーニングを重ね、いくつかの大会を経て、40代後半にゴールドコーストマラソンに出場しました。

Ph/Getty Images

「ハーフマラソンで油断をしてしまったのか、あと5、6kmというところで熱中症になってしまいました。リタイアしよう思ったのですが、15分くらい休んだら回復したので、あきらめずにゴールを目指すことにしました。すると、私と同じ速度でゆっくり歩いている、60代の女性がいたんです」

ゴールが地元紙に大きく掲載

ゴールドコーストの地元紙に載った歯科医師・石井さとこさん

「この女性と話しているうちにお互い元気になってきて、“最後くらい走ろうよ”と私が言って、手をつないで2人でゴールをしたら、ものすごいフラッシュがたかれて(笑い)。“外国の人が女性をゴールにつなげた”と地元の新聞に大きく載ったので驚きました。ゴール後にお互い取材を受けることになってしまって、その女性ときちんとお別れできなかったのは残念ですが、とてもいい思い出です」

「この年齢では無理」という思い込みを捨てる

「オーストラリアの女性選手は年上でも足腰が強くて、私を追い抜いてどんどんゴールしていきます。だから私も“もうこの年齢だから無理”という思い込みを捨てて、できることをやっていこうと思えます。マラソン大会には毎年のように出ていた時期があったのですが、今はコロナで大会がないのが残念です」

石井さんは全力を出しすぎて、大会後に熱を出して寝込んだことが何度かあるそうです。それでも、また出場したいと思える魅力があると話します。

妥協してしまう自分と対峙できる

「それは自分と向き合えることです。自分の弱さとか、誰かに頼りたい気持ちとか、これでいいやと妥協してしまいたくなる気持ちと対峙できるんです。走っている時は鳥の声をサウンドにして、心にいろんなことが浮かんできます。そして、走っているうちは絶対にマイナス思考にならないんです。瞑想効果があるのだと思います」

ランニングは自分に向き合いたい人や、コツコツとした楽しさを見つけられる性格の人が向いていると石井さんは言います。

「自分に自信が持てない人でも、ちょっとずつ走る距離が伸びていくと自信に繋がるし、なにより楽しいんですよね。初めてのかたは500mなど無理がない距離から始めると、1年2年と続けるうちに何kmも走れるようになっていますよ。新しいシューズやウエアを購入すると“せっかく買ったんだから明日も頑張ろう”というモチベーションになります」

健康を意識する生活に。朝ご飯は365日ほぼ同じ

体の調子が悪いと走ることができないので、より健康に気を使う生活になったそうです。

歯科医師・石井さとこさんの朝食

「特に食生活が変わり、筋肉や骨を作るものをより意識して食べるようになりました。朝ご飯は365日ほぼ同じです。全粒粉のパンにモッツアレラチーズ、ゆで卵、キウイフルーツです。

卵は良質なたんぱく質やビタミンが含まれていますし、トリプトファンは午前中に食べることでハッピーホルモンを作ることができて、夜は快眠物質に変わります。チーズはカルシウムが豊富な発酵食品。全粒粉のパンにしているのは、血糖値を一気に上げないため。キウイは食べる点滴といわれる万能フルーツです。

時間のない朝でも簡単で食べやすく、バランスよく栄養素を取り入れられます。家族からは、よく飽きないね、と呆れられています(笑い)」

他人と比較しなくなったメリットも

より健康的になり若さをキープしている石井さん。実際に、60歳にはとても見えないほどお肌もツヤツヤです。そして、体だけでなく心も鍛えられたと続けます。

「スポーツを通して自分の内面を見つめることはよくありますし、レースは自分との闘いです。最後は気持ちと言いますが、自分の足で、体で、頭でレースを勝ち抜いていくので、プライベートでも他人を意識しないようになりました。

相手を追いかけたり比べたりすると、レースでは自分のペースが崩れてしまうんです。そういう経験を積むことができたので、体の体幹だけでなく、心の体幹も強くなったと思います」

この人に聞きました:歯科医師・口もと美容スペシャリスト・石井さとこさん

歯科医師・石井さとこさん

1961年1月3日生まれ。東京都出身。「ホワイトホワイト」院長。過去に、ミス・ユニバース・ジャパンのオフィシャルサプライヤーとして、ファイナリストから日本代表まで歯をプロデュース。歯のホワイトニングを日本で広めた第一人者。最新刊『マスクしたまま30秒!! マスク老け撃退顔トレ』(集英社)が今、話題。https://www.whitewhite.jp/
石井さんインスタグラム

取材・文/小山内麗香

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