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健康社会学者・河合薫さんが考える、幸せになる6つの思考「愛をケチるな」

やりたいことから逃げずに進めば、後悔のない人生になる

タイトルにもなっている「半径3メートル」の意味は、近しい人間関係だけを現すものではないという。

「知人に限らず、近くにいる人も対象です。坂道で高齢者がふらついていたら、“お困りですか”と声をかけるだけでもいい。高齢者にとっては1人でできることを喜びとしていることもあるので、断られたら転ばないように見守る。直接、手を貸すだけが愛ではありません。

コロナ禍になってから、そういう愛が見えやすくなった気もします。生活が厳しくなった人たちを手伝ったり、寄付したり、子ども食堂を作ったり。そういうことをすると、相手だけではなく自分も幸せになり、周りの優しさに気づけるようにもなる。小さな動きではありますが、私たちの社会にはまだ、光があると思うんです」

手のひらにハートがある写真
相手を気づかう事ができれば自分も幸せになり、周りの優しさにも気づくようになる(Ph/PhotoAC)
写真5枚

自分で線引きしなければ可能性は無限大に広がる

“愛をケチらなければ”、自分を含む半径3メートルが幸福になる。さらに、やりたい気持ちに素直になることで後悔のない人生にも近づくという。

「いまは不安な社会だし、“こうせねばならない”と同調圧力もありますが、人生に正解はありません。それに、個々により人生における役割が違います。母親、娘、社会人など、それぞれが七色のキャリアを持っている。それがキラキラと輝くようにすればいいだけ。

だから自分がやりたいと思ったら、その気持ちを大切にして一歩踏み出してほしい。“私には無理だ”と思うなら、誰かの力を借りてもいい。変化を恐れず前に進んでいくと、後悔のない人生になる。自分で線引きをしなければ、可能性は無限大に広がります。そこには年齢はありません。私はこれからも進み続けます」

◆健康社会学者・気象予報士・河合薫さん

1965年10月23日生まれ。千葉県出身。大学を卒業後、全日本空輸に入社。1994年、気象予報士第1号として『ニュースステーション』(テレビ朝日系)などに出演。2004年に東京大学大学院医学系研究科修士課程修了、2007年博士課程修了。現在は健康社会学者として、執筆や講演活動、テレビ、ラジオなどで発信を続けている。今年3月、約900人のインタビューや実体験を通して語る幸福論『THE HOPE 50歳はどこへ消えた? 半径3メートルの幸福論』(プレジデント社)を出版。https://twitter.com/kaorunseizin

取材・文/小山内麗香

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