家事・ライフ

生前整理は終活ではなく「前向きに生きるきっかけ」整理収納のプロが教える心構え

たくさんある物の原点を考えるとやりたいことがわかる

ずっと育児や仕事を頑張っていたので、個室があってもやりたいことが見当たらないという人もいるかもしれません。そんな人は、家にたくさんある物を見直してみてください。

生前整理のために片付けようとする人は、なぜかたくさんある物から捨てようとする傾向にあります。例えば、布や生地がたくさんあるので捨てるかどうか迷っているお客さまがいました。「なんでこんなに布があるんですか?」と尋ねると「実は昔、洋裁が好きだったんです」なんて話してくださるんです。

ミシンをかけている
たくさん集めた物と向き合ってみて(Ph/PhotoAC)
写真6枚

迷っているくらいならむやみに布を捨てるべきではないし、ミシンのための部屋があったら、今からでも自分だけの没頭できる空間で趣味の時間を過ごせますよね。

捨てたい物は、なぜ買ったのか?と考えてみる

食器が多いというかたは、まず「なぜこんなに大きな食器棚や、たくさんの食器があるのか?」と原点に戻ってみましょう。そうしたら、買った当時はたくさんの人を家に呼んでもてなすのが好きだったとか、出産前に時間の余裕があったときは食器集めが趣味だったとか、なぜ買ったのかがわかりますよね。

段ボールからコーヒーカップを出している
自分の人生を振り返って物の選択を(Ph/PhotoAC)
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こんなに食器を持っていたって仕方がないと心を閉ざしてすぐにあきらめてしまうのではなく、自分の願望に立ち返ってみましょう。そこから今後の人生をふまえて、物の選択を始めてみてください。

「家に友人を呼んで、料理を作ってもてなしたい」という前向きな目標が1つできるだけで、今の家にある物を見直すようになります。客人に出すことを前提に考えたら、欠けている食器はいらないと思うでしょうし、箱に入ったままの食器を並べて幸せな気持ちになれるかもしれません。そうした取捨選択することが、自分のための生前整理につながります。

◆教えてくれたのは:幸せ住空間セラピスト・古堅純子さん

古堅純子さん
幸せ住空間セラピスト、家事効率化支援アドバイザーの古堅純子さん
写真6枚

幸せ住空間セラピスト、家事効率化支援アドバイザー。整理収納アドバイザー1級、整理収納アドバイザー2級認定講師、企業内整理収納マネージャーの資格を所持。1998年、老舗の整理収納サービス会社に入社。20年以上現場第一主義を貫き、クライアントのもとへ通う。5000軒以上の家でサービスを重ね、古堅式メソッドを確立。オンラインを含むコンサルティングやメディア出演や講演も行う。著書は累計60万部で、最新著は『「シニアのための なぜかワクワクする片づけの新常識』(朝日新聞出版)。YouTubeチャンネル「週末ビフォーアフター」は、1000万回再生を突破。チャンネル登録者数9万1000人(2022年4月現在)。https://s-d-m.jp/talents/jyunko-furukata/

構成/イワイユウ

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