スキンケア

63歳皮膚科医が教える”老けない美容”、「W洗顔は不要」など洗顔&クレンジングのコツ

メイク落としのコツは「泡」と「時間」(Ph/イメージマート)
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しっかりメイク時のクレンジングのコツ

「老け知らずのキレイな素肌のためには、パウダー中心の軽いお化粧がおすすめ」という石井さんですが、シーンによっては、肌をキレイに見せるために気合いをいれたメイクをすることもあります。そんな日のクレンジング術について、石井さんはこう言います。

「しっかりメイクの日は、いつも以上にクレンジングに気を配ってください。なるべく避けていただきたいのは『W洗顔』(クレンジングでメイクを落としたあと、洗顔料で顔を洗うこと)。日常的なW洗顔の影響で、日本人女性の70%は乾燥肌になっているという報告もあります。

しっかりメイクを落とすコツは『泡』と『時間』です。メイクも落とせる泡タイプの洗顔料なら、4〜6プッシュほど、片手に乗るくらいを取ったら、顔全体を泡で包み込みます。そのまま肌になじませて、そっとメイクを浮かす。決してこすらず、泡を毛穴に浸透させるようにします。

メイクの濃さにもよりますが、30秒から1分くらいはなじませましょう。それから1〜2分ほど、そっとすすげば完了です」

クレンジングオイル、拭き取りシートの注意点

メイク落としもさまざまな種類がありますが、石井さんは「クレンジングオイルの使い方」に注意を促します。

「私のクリニックに来られる患者さんで、脂漏性皮膚炎のかたの半数がクレンジングオイルを使ってメイクを落としておられました。脂漏性皮膚炎とは、頭や顔、胸など、皮脂の分泌が盛んなところにできる湿疹で、ニキビのような赤いぶつぶつや、かゆみ、皮むけなどの症状が出るものです」

「クレンジングオイル」の使い方に注意(Ph/イメージマート)
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ストレスや食生活の乱れなど、脂漏性皮膚炎はさまざまな要因が重なって起こるものですが、最大の原因は「カビ」とされています。顔の場合、特に脂っぽい鼻付近やTゾーン、毛の生え際で悪化が目立つため、「これらの場所にトラブルを抱えている人ほど、クレンジングの見直しが必要」と石井さんは言います。

さっと拭けて便利なクレンジングシートの使い方にも注意を呼びかけます。

「クレンジングシートは、メイクをふき取ることで毛穴にメイクを押し込んでしまうことになるため、ニキビやくすみ、シミの元になる可能性があります。成分に含まれるアルコール分も、肌の水分を容赦なく奪うので注意してください」

疲れているときは軽いパウダーメイクに

夜、寝落ちしてしまいそうなくらい疲れが続いているときは、肌へのダメージが少ない軽いパウダーメイクに切り替えてほしい、と石井さんは言います。

いつまでも老け知らずな肌を手に入れるためには、日ごろからのケアが大切です。肌が喜ぶスキンケアを心がけ、マスクを外しても自信が持てる肌を目指しましょう。

◆教えてくれたのは:形成外科・皮膚科医・石井美夏さん

形成外科・皮膚科医・石井美夏さん
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1959年生まれ。愛知県名古屋市出身。1984年、信州大学医学部卒業後、国立小児病院、昭和大学医学部形成外科教室およびその関連病院、亀田総合病院・形成外科、皮膚科などでキャリアを積み、2001年、東京・吉祥寺に「美夏クリニック」開院。形成外科・皮膚科・美容外科の3つのアプローチで「患者さんの個性に合った最適な治療法」を提案し、乳児から90代まで幅広い女性たちから信頼を得ている。https://www.mika-clinic.com/doctor/

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