家事・ライフ

71歳のドラマスタイリスト西ゆり子さんが語る自分らしく生きるコツ「固定観念にとらわれない」「執着を捨てる」

執着を捨てて手放すことで自由になる

夫婦二人三脚で3人の子供を育て上げた西さんは、還暦を迎えたことと子供たちが大学を出たことを期に「家族解散宣言」と称し、家族という形をリセットした。

笑顔の西さん
「家族解散宣言」と称し、家族を”解散”したことで肩書きから自由に
写真7枚

「妻とか母とかの肩書から解放されると、自分のために使える時間が増えるでしょう? だから、『これからは家族それぞれが自分の好きなスタイルで生きていきましょう』と、解散宣言をしたの。そうすると年々体は年を取っていくんだけど、反比例して心は若くなっている気がする。

息子たちはアパートメントを借りて一人暮らしを、夫は月の半分は三重県の実家で農業をやって、家族の関係も一緒に暮らしている頃より、おのおのがやりたいことを自由にできる風通しのいい関係になったの」

これまで5人でにぎやかに暮らしてきたのが散り散りになったのだから、寂しくはないですかと尋ねると、西さんは執着しないことがよいのだという。その姿勢は、仕事においてもいい影響をもたらしている。

「若い頃はすべて自分でやろうとしたけど、仕事が増えるとそうもいかない。自分だったらこうするのに……という思いを捨てて、人を育てて任せてみたら発展性があることがわかったの。後輩の美意識が自分と違っていても理解するようにつとめました。自分にはないアイディアが生まれるし、チームワークでやると楽しいなぁって。こだわりを手放したからこそ味わえたことだと思います」

◆スタイリスト・西ゆり子さん

西ゆり子さん
スタイリスト・西ゆり子さん
写真7枚

にし・ゆりこ。スタイリスト。テレビ番組におけるスタイリストの草分け的存在で、ドラマスタイリストとしてテレビドラマと映画およそ200作品を手がける。2019年度「日本女性放送者懇談会50周年特別賞」受賞。現在は、一般個人向けに「CoCo Styling Lesson」や、無料でスタイリングの知識を得られる「着る学校」(https://www.stylingschool.org)というコミュニティも展開。近著に『ドラマスタイリスト西ゆり子の 服を変えれば、人生が変わる』(主婦と生活社)。

撮影/五十嵐美弥 取材・文/森冬生

●「終活にはあまり興味がない」71歳の現役ドラマスタイリスト西ゆり子さんから学ぶ“攻めの姿勢”の生き方

●「見た目じゃなく内面が大事」は本当か?薄井シンシアさんらキャリア積んだ女性2人が“美”について思うこと

関連キーワード