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「卵巣がんの疑い」手術から2か月半、65歳オバ記者が「乗り切った!」と達成感を覚えた瞬間

オバ記者
術後解禁になった自転車に乗ってオバ記者が思ったこととは
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「卵巣がんの疑い」で10月初めに手術を受けた、ライター歴40年を超えるベテラン、オバ記者こと野原広子(65歳)。手術後の検査の結果、卵巣がんではなく「境界悪性腫瘍」という診断だった。手術から2か月半、現在の体調についてオバ記者が綴る。

* * *

主治医から「自転車は乗らないでください」

「あなた、電動自転車いらない?」

つい先日、そう電話してきたのは昭和7年生まれで最年長のボーイフレンド、Oさんだ。いろんないきさつがあって買って2年しかたっていない自転車が浮いてしまったのだとか。

「どうしようかな」とチラリと考えたわよ。というのも2か月半前に卵巣がんの疑いで子宮と卵巣の全摘出手術を受けた話はここでさんざん書いた通りだけれど、手術が終わった後、主治医から「とうぶん自転車は乗らないでください」と言われていたのよ。

オバ記者
6時間もの手術を終えたオバ記者
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主治医に「原チャリは?」と聞くと、ちょっと考えて「原チャリはサドルに座っているだけですよね? それならいいでしょう」と言うんだわ。どうやらサドルの上でお尻を動かして陰部を圧迫させるのがお腹の中の傷によくないみたい。

「卵巣がんの疑い」は、手術で切り取った腫瘍を細胞レベルまで調べる病理検査をして「境界悪性腫瘍」という診断。聞きなれない病名だけど悪性(がん)と良性の中間に位置づけられるもので、良性でもそのうちごく一部が境界悪性腫瘍なんだって。

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病室内から。遠くに見えるのはスカイツリー
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築地の食べ歩きとスーパー巡りのあとに不正出血

お腹の中のリンパ腺も取らなかったし、抗がん剤の治療も必要なし。まずはめでたし、だけど、それでも6時間に及ぶ手術を受けたダメージはいろんなところに残るんだね。自転車は、手術後3週後の診察で「今日から湯船に入ってもいいです。スポーツも大丈夫」と主治医がニッコリ笑って解禁になっていたけど、だからといって、よ。

医師のいうことと現実ってちょっと違うと思うことがあったのよ。

たとえば手術した翌日、頭も体もボーッとしているときに「さあ、歩きましょう」と起こされるわけ。腸の癒着をさけるために、これは必ずしなくてはいけないことらしいんだけど、1日目は病棟の通路を1~2周が、2日目は5周、3日目は10周、4日目は20周。つまりアスリートのようにガンガン歩けというわけ。やりましたとも。点滴台をガランガランと音を立てて、歩く歩く。「あはは。野原さん、いいですねぇ」と看護師さんに笑われたっけ。

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何回も歩かされた病院内
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でね。入院中に「歩け」と言われていたってことは、退院後はさらに歩いても大丈夫ってことだと思うじゃない? それで退院日は弟夫婦と好物のまぐろを求めて築地を歩き、翌々日は自炊のために近所のスーパーを巡り。そうしたらその夜、不正出血した。大した量じゃなかったから病院に駆け込んだりしなかったけど、「聞いてないよぉ」と叫びたかったわよ。

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入院前、弟に連れてってもらった「御岩神社」
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幸い不正出血はすぐに止まったものの、「えっ、もしや再手術?」としばらく不安でね。後から考えたら築地は歩くだけだったけど、買い物は大根とか白菜とか重いものをリュックに担いだり手に持ったりしている。下腹部に力を入れて踏ん張ったのがよくなかったのかもしれない。

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