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ドラム式で、洗濯乾燥が終わった服をずっと放置してない? ドラム式洗濯乾燥機の「やってはいけない」NG行為

ドラム式洗濯機や棚がある部屋
便利なドラム式洗濯機も、使い方を間違えると、せっかくの利便性を享受できないことも(Ph/イメージマート)
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衣類を入れたら洗濯から乾燥まで全部お任せできるドラム式洗濯乾燥機(以下、ドラム式)。天候を気にせず洗濯機を回せて、外に干す手間や時間が省ける最強時短家電です。ただし使い方を間違えると、せっかくの利便性を享受できないことも。そこで家電ライターの田中真紀子さんに、ドラム式の「やってはいけないこと」と「やるべきこと」を教えてもらいました。

これをやると逆効果?ドラム式のNG行為

まずは、長年使っている人でも意外とやりがちな「NG行為」から。

洗濯乾燥後に長時間放置

例えば朝出かける前に洗濯機を回して夕方に取り出す。就寝前に洗濯して朝まで放置――。こうした行為はできれば避けたほうがいいと、田中さんは指摘します。

ドラム式洗濯機に洗濯物が入っている
洗濯乾燥後に長時間放置はNG行為(Ph/イメージマート)
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「実は天日干しの衣類に比べて洗濯乾燥機で乾燥した衣類にはシワ軽減のため若干の湿気が残っています。せっかく乾燥まで終わってもそのまま長時間放置しておくと、湿気が洗濯物に戻ってしまい、生乾き臭を発生させたり、洗濯槽内にカビが生える原因になるのです。これは高温で乾燥させるヒーター式より、低温で乾燥させるヒートポンプ式によく見られる現象です。さらに機種によっては、衣類にシワができてしまうこともあります」(田中さん・以下同)

したがって、「乾燥が終わったらすぐに取り出す」のが正しい使い方。難しい人は、タイマー機能を活用しましょう。

なんでもかんでも乾燥させる

ホコリが多く付着していそうものは、乾燥せずに干すことを田中さんは推奨します。

「洗濯表示では洗濯・乾燥できるとされていても、実は乾燥できないものもあります。たとえば、のりづけしたワイシャツなどは、のりの成分が乾燥フィルターの目詰まりを引き起こす可能性が。また、毛が抜けるマット類や、ペットの毛がついたものも乾燥経路を詰まらせ、本体の傷みや故障の原因になります」

できれば普段から、衣類やシーツ類などはホコリなどをはたいてから洗濯するといいでしょう。

電気毛布を洗う

「最近は電気毛布でも、洗濯機で洗えるタイプが増えていますが、ドラム式では洗ってはいけないとされています。ドラム式はたたき洗いをするため、ヒーターを傷め、故障の原因になるからです」

コインランドリーのドラム式洗濯機も同様。身近に縦型洗濯機がない場合、手洗いをするなど洗濯表示に従いましょう。

意外と多い「毎回やるべきこと」と「注意点」

一方、やるべきことや注意点はこちら。特にドラム式洗濯乾燥機を買って間もない人は、覚えておきたい内容です。

乾燥フィルターや排水フィルター、ドアパッキンのお手入れ

乾燥フィルターは、乾燥のたびにホコリを取り除く必要があります。

ドラム式洗濯機のドアのゴムパッキン
ドアパッキンのお手入れも毎日やるべきことのひとつ(Ph/イメージマート)
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「ドラム式は、乾燥時に洗濯槽内に発生する糸くずやホコリを乾燥フィルターで取り除いています。理由は、その先の乾燥経路を詰まらせないため。この乾燥フィルターに溜まった糸くずやホコリを放置すると、乾燥効率が落ちたり、乾燥経路に入り込んだりして、プロでないとホコリの取り出しが困難になることも。

同様に、排水時に出る糸くずやホコリも排水フィルターで取り除いていますが、これも定期的にお手入れしないと排水が滞ってしまいます。またドアパッキン裏のホコリも洗濯のたびに取り除きましょう」

お手入れ箇所の多さは、縦型洗濯機しか使ったことがない人にとって盲点になりがち。

「乾燥フィルターとドアパッキンの使用ごとのお手入れは、縦型から買い換えるとつい忘れてしまう人が少なくありません。お手入れが行き届かないと不具合を起こしたり、乾燥時に嫌なニオイを発生させたりすることもあるので要注意です」

洗濯物の出し入れの際、腰をかがむ体勢に

他にも、縦型洗濯機しか使ったことがない人が驚くのは、洗濯物の出し入れの仕方。

「縦型洗濯機は衣類の投入口が上にありましたが、ドラム式は前面にあり前から扉を開閉します。そのため洗濯物の出し入れの際にかがまなければならず、体勢的につらいという声も聞かれます。不安な人は、開口部の位置が少しでも高いものを選ぶといいでしょう。またドラムの中が見えにくいので、内部に照明があると便利です。そのほかドラム式は縦型に比べて振動や運転音が大きい場合もあり、夜間の使用は迷惑になる可能性もあります」

洗濯物は確実にドラム内に入れ、小物は奥に

「洗濯物がきちんとドラム内に収まらず、扉からはみ出た状態でドアが閉まってしまった場合、水漏れの原因になります。また衣類がねじれて無理な力がかかり、ドアパッキンが破損するおそれも。さらに、布マスクなどの小物類は、手前に入れるとドラムの隙間にはいり込む可能性があるので、こちらも確実に奥に入れましょう」

電気代にも要注意

ドラム式の中には乾燥方式にヒーター式を採用しているものと、ヒートポンプ式を採用しているものがあります。

「ヒーター式の方が高温で乾燥させる分、電気代が高い傾向に。ヒートポンプ式に比べ、乾燥時の電気代が2倍近く高い場合もあるので、毎日使うと電気代に大きな差が出てきます」

これからドラム式の購入を検討する人は、上記の注意点を踏まえつつ、ドラム式と縦型のどちらが自分のスタイルに合うか熟考しましょう。

「ドラム式の最大のメリットは、ふわっと乾燥できること。基本的には乾燥は使わず、雨続きの日に使いたいときだけ乾燥させるなら、ドラムより安い縦型洗濯乾燥機でもじゅうぶんでしょう。また縦型は大量の水の中でじゃぶじゃぶ泳がせるように洗うので、黒ずみやニオイうつりが少ないです。

一方、毎日乾燥までやりたい人にとっては、洗濯物干しに比べたら、お手入れの手間は些細なものではないでしょうか。共働きなど外出が多いなら、ドラム式が便利に使えると思います」

最近では、上記の「課題」をクリアした最新型のドラム式も登場しています。以下の2点です。

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