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旬の「みょうが」をおいしく楽しむために 新鮮なものを見極める方法と冷蔵&冷凍で長持ちさせるワザ

ザルにのったみょうが
みょうがの旬は夏から秋(Ph/photoAC)
写真6枚

そうめんや刺身などの薬味にするとおいしいみょうがは、夏と秋が旬。「鮮度のよいものを見分けるポイントを知ると、よりおいしくいただけます」と話すのは野菜ソムリエプロの福島玲子さん。今が旬のみょうがについて、正しい保存法やおすすめのレシピも含めて詳しく教えていただきました。

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新鮮なみょうがの見極め方&夏にうれしい栄養素

夏みょうがは6~8月、秋みょうがは8~10月にスーパーに並びます。秋みょうがは夏よりも赤みが強く、少しふっくらして大ぶりですが、見極めのポイントや栄養価に違いはありません。また、暑い季節の不調対策に役立つ、みょうがの栄養も知っておきましょう。

みょうがは先端と色味でおいしいものを見分ける

みょうがは丸々としていて、先が開きすぎていないものが身が締まっていて新鮮です。皮の色つやがよく、きれいに色づいたものがおすすめです。

みょうが
みょうがを買うときはまるまるとしたものがおすすめ(Ph/photoAC)
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つぼみが開いたみょうがは風味が飛んでいるものが多いので、つぼみが閉じていて傷がないものを選びましょう。白っぽい色味のものも、未熟な可能性が高いので十分に風味を楽しめないでしょう。

エアコンによる冷えや夏バテ改善に効果的なみょうがの栄養素

みょうがから摂ることができる栄養素には、血流改善やむくみの解消につながるカリウムがあります。血行や消化を促進する、デトックスにもよい栄養素です。また、赤紫色のもととなっているアントシアニンが含まれており、抗酸化作用により夏バテによる疲れを改善する効果が期待できます。

独特の栄養もあります。辛味成分はミョウガジアールという栄養成分によるもの。この成分には風邪予防やのどの痛みを和らげる働きのほか、血流を促進するので、エアコンなどの冷えに悩むかたにもおすすめの栄養素です。

さらに、香り成分のα-ピネンは胃液の分泌を促すので食欲増進のほか、発汗作用、血行促進が期待できます。α-ピネンはビタミンB1を含む豚肉やうなぎなどと一緒に食べることで、疲労回復やストレス解消効果が高まります。

輪切りのみょうが
輪切りにするとより香り高い(Ph/photoAC)
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ちなみに、みょうがの香りをより楽しみたい人は、輪切りにするのがおすすめです。繊維を断ち切ることで、香り成分が放出されやすくなります。

みょうがを長持ちさせる保存方法

みょうがを生のまま保存するのであれば、乾燥から守ることが重要です。また、酢漬けなら長期間保存もできます。大量に手に入ったときなどは、酢漬けもぜひ試してみてください。

みょうがは乾燥を避けて!正しい冷蔵&冷凍保存

冷蔵保存するときは、濡らしたキッチンペーパーか新聞紙でみょうがを包み、ポリ袋に入れて野菜室に置きましょう。これで3〜4日程度、鮮度を保つことができます。

カットしたみょうが
みょうがは冷凍保存も可能(Ph/photoAC)
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また、みょうがは冷凍保存も可能です。ひとつずつラップに包んでから、冷凍用保存袋に入れましょう。カットしてから冷凍すれば解凍も早くでき、料理のときにさっと使えるのでおすすめです。薬味にするときは自然解凍、味噌汁などの加熱調理のときは冷凍のまま鍋に入れればOKです。

野菜ソムリエプロおすすめ保存レシピ「みょうがの甘酢漬け」

フルーティーなりんご酢を使ったみょうがの甘酢漬けは、保存性が高く1か月ほど楽しむことができます。りんご酢がない場合は米酢や穀物酢で漬けてもOKです。細かく刻んで豚しゃぶやお刺身に添えたり、いなり寿司の具にしたりしてもおいしいですよ。

みょうがの甘酢漬け
みょうがは酢漬けにすると長持ち!(Ph/photoAC)
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《材料》(作りやすい分量)
みょうが…6個 りんご酢…80ml 砂糖…大さじ3 ポン酢…小さじ1 塩…小さじ1/4

《作り方》
【1】調味液の材料(りんご酢、砂糖、塩、ポン酢)はすべて合わせておく。
【2】鍋に湯を沸かし、根元を少し切り落とし縦半分に切ったみょうがを、20秒ほど茹でる。
【3】みょうがをざるにあけ、水分を切ってから熱いうちに容器に入れ調味液をかける。
【4】冷蔵庫に入れ、1日漬ける。1日漬けることでまろやかな味に仕上がる。

◆教えてくれたのは:野菜ソムリエプロ・福島玲子さん

野菜ソムリエの福島玲子さん
野菜ソムリエプロ・福島玲子さん
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ふくしま・れいこ。野菜ソムリエプロのほか、アスリートフードマイスター2級、ジュニア食育マイスター、食の検定1級、ベジフルカッティングスペシャリスト、エコクッキングナビゲーターなど多数の資格を持ち、日本野菜ソムリエ協会創立 20 周年記念事業『野菜ソムリエ名鑑 vol.1』に掲載されている。現在は、“野菜や果物から健康に”との考えを大切に講演・セミナー講師、イベント・セミナー運営サポート、コラム、料理教室、レシピ開発や監修・ジュニアアスリートの栄養指導・など、多岐にわたって活動中。https://ryufrei.com/

構成/イワイユウ

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