オーラルケアに効果的な食材
乳酸菌には、う蝕(むし歯)や歯周病の原因となる細菌の増殖を抑制する作用が報告されており、口内の健康維持に効果が期待できます。そのため、オーラルケアには乳酸菌を含んだヨーグルトなどの発酵食品がおすすめです。
以下に、ヨーグルトを使った簡単なレシピを紹介します。
乳酸菌の力で口内環境を整え、フルーツの栄養素も摂取できるベリーヨーグルトスムージーです。就寝中は唾液の分泌量が減って細菌が繁殖しやすく、起床直後はとくに口臭が強くなる傾向があるため、朝食などに取り入れてみてください。
「ベリーヨーグルトスムージー」のレシピ
《材料》(2人分)
無糖ヨーグルト…100cc(1/2カップ)、フローズンベリー(イチゴ、ブルーベリーなど)…60g(1/2カップ)、バナナ…1/2本、牛乳…100cc(1/2カップ)、はちみつ…適量(お好みで調整)
《作り方》
ミキサーにはちみつ以外の材料をすべて入れ、なめらかになるまで攪拌する。グラスに注ぎ、お好みではちみつをかける。今の季節なら、桃やメロンなどのフルーツを入れるのもいいでしょう。
オーラルケアには漢方薬も役立つ
丁寧なオーラルケアをしても口臭が気になる場合は、口内環境の乱れや胃腸機能の低下、体質が原因の可能性があります。そのため、歯科医院でも使用されている口臭対策に有効な漢方薬を取り入れるのもひとつの手段です。
漢方薬を選ぶときは、「胃腸の働きを正常化し、潤いを作り出したり、胃にこもった熱を取ったりする」働きのあるものを選びます。
オーラルケアに役立つ漢方薬
・麦門冬湯(ばくもんどうとう)
胃の働きを整えて潤いを作り出して、のどや気管などの呼吸粘膜を潤し、のどの乾燥感をやわらげるのに用いられる漢方薬です。
・黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
体の上部に熱がこもって口が苦く感じる人や、胃炎などの炎症の余分な熱をとる効果があります。イライラなどの精神症状や口内炎にも使用される漢方薬です。
漢方薬を始めるときの注意点
漢方薬は食事の工夫などでは不調が改善しなかった人でも、効果を感じる場合が多くあります。
ただし、漢方薬はその人の体質に合っていないと、よい効果が見込めないだけでなく、副作用が起こることもあります。自分に合う漢方薬を見つけるために、服用の際は漢方に詳しい医師や薬剤師に相談するのが安心です。
◆教えてくれたのは:歯科医師・見立英史さん
みたて・えいじ。歯科医師、日本口腔外科学会指導医・専門医、日本口腔科学会指導医・認定医。福岡市内の歯科医院および病院歯科口腔外科に勤務するかたわら、大学医歯薬学総合研究科の客員研究員として研究も行っている。
◆漢方薬監修:薬剤師・碇純子さん
いかり・すみこ。薬剤師。神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」(https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/)で情報発信を行っている。