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【大塚寧々 ネネノクラシ#62】畑でゴボウを抜くのに挑戦!「来年は育てるのやめよう」と誓ったワケ

大塚寧々
ゴボウを抜いてみたのだが…(Ph/中野修也(TRON))
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女優・大塚寧々さんが、日々の暮らしの中で感じたことを気ままにゆるっと綴る連載エッセイ「ネネノクラシ」。第62回は、寧々さんが畑で作る「ゴボウ」について。

* * *
山の家の畑のゴボウの葉っぱが大きくなっていた。

さて、一体いつが収穫時なのだろう? お隣のYさんに聞いてみると、「俺もゴボウはやった事がないからなあ~」とおっしゃる。とりあえず端の一本を抜いてみようという事になった。大きなスコップで掘る、掘る、掘る……当たり前だが、ゴボウは長いので収穫するには深く掘らなければいけなかった。これが、けっこう大変だった。掘っても掘ってもビクともしない。ゴボウにあだ名つけるなら「頑固ちゃん」だなと思った。何とか頑張って掘ってみたら、ちゃんと抜けました! おお~食べられそうだ!

もう夕方だったので、残りは後日掘る事にした。しかし、私は何本ゴボウを植えてしまったのだろう。あんなに掘るのが大変なら少しにしておけばよかったと後悔しても遅い。

後日、重い腰をあげて私はゴボウを一人で掘った。ものすごく大変だった。抜けそうなのに抜けない。抜けた!と思ったら尻餅ついた。こんなに勢いよく転ぶのは久しぶりだ。腰が痛い。しばらく放心状態で抜けたゴボウをみつめる。土のよい香りがする。

夫が「ゴボウ抜いてるの~」と呑気な声で

そうすると夫が呑気な声で「ゴボウ抜いてるの~」と近くに来た。「大変なのよ!」と言うと、手伝ってくれるのかと思いきや、「頑張って~」と言いながら家の中に戻ってしまった。手伝ってくれないのね、と心の中で思いながらまた一人で頑張った。結局何とか全部抜き、土を戻したらもう疲れてしまった。

きんぴらゴボウ
きんぴらゴボウ作ってみた(Ph/大塚寧々)
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しかし、このゴボウを使って新鮮なうちに料理しなければと思い、もう勢いで頑張ろうとクタクタな体に鞭を打ち、キッチンに向かう。もうザクザク切って、煮ようかと思ったが頑張ってきんぴらゴボウにした。こんなに大量のきんぴらゴボウを作ったのは初めてだ。たくさん作ったので、お隣のYさんのところに持って行く。奥様のMさんに「田辺さんと掘ったの~?」と聞かれたので、「一人で掘った!」 と言ったら「それは、ご苦労様!」と大笑いだ。

もう来年はゴボウを育てるのはやめようと心から思った。ゴボウは買うのが良い。スーパーでゴボウを見ると、ゴボウを作ってくれた方々ありがとうございます。抜くのが大変でしたよね、お疲れ様でした。と伝えたくなる。

畑は同じ場所に同じ野菜を植えない方がいいらしい。知らなかった。来年はゴボウの場所に、何を植えるか真剣に考えよう。とにかく長さのある野菜はやめようと誓った。


◆文・大塚寧々(おおつか・ねね)

1968年6月14日生まれ。東京都出身。日本大学藝術学部写真学科卒業。『HERO』、『Dr.コトー診療所』、『おっさんずラブ』など数々の話題作に出演。2002年、映画『笑う蛙』などで第24回ヨコハマ映画祭助演女優賞、第57回毎日映画コンクール主演女優賞受賞。写真、陶芸、書道などにも造詣が深い。夫は俳優の田辺誠一。一児の母。

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