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66歳オバ記者、「捨て活」を始めて改めて認識 「捨てなきゃよかった」というものはほとんどない

「検査ですい臓に6mmの……」

こういうの、何ていうんだろうね。胃カメラは余裕のよっちゃんなのに、注射器がダメ。ましてや針の先から血液が抜かれるなんて、想像しただけで後頭部がスーッと寒くなる私。だからいつもあさっての方を向いて、針が刺さる瞬間は「ああああ~」と迷惑にならない程度の声を出してしのいでいるんだわ。

オバ記者
後ろに写ってるのは採血室。針が刺さる瞬間が怖い
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大学病院は診察室に入るまで2時間待ちは普通だけど、今回は血液検査をしてその結果待ちなのか2時間半を過ぎてからやっと、「野原広子さーん」と呼ばれたわけ。

「お久しぶりです。手術から1年たちましたけど、体調はいかがですか?」とE先生に聞かれたので、「はい。手術跡がいびつだったお腹もずいぶん均等になってきて元の身体にもどってきた感じです」と答えると、「そうですか。それはよかったです」と、ここまでは想定内だったの。「今日は内診をします」というのも、「はいはい」とふたつ返事よ。前回は内診をしなかったから、ちょっと心配だったし。

ところがE先生、次の瞬間、わが耳を疑うようなことを言ったんだわ。「前回の検査ですい臓に6mmののう胞が見つかりまして、なるべく早くそちらの検査をしてください。いつがいいですか?」だって。

オバ記者
気軽な気持ちで(?)診察室に入ったら「すい臓に6mmののう胞がある」と
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「いま、すい臓っていいました? だったらかなりヤバいですよね」と反射的に聞くと、「でもがんではないし、のう胞は6mmとかなり小さいので、これから経過観察をしたほうがいいということです。こののう胞は前回の検査でわかったんですけど、それほど急ぐ必要はないということで今日、こうしてお伝えしているんですけどね」と、いつも冷静なE先生は淡々と話すの。

親友のF子はすい臓がん診断から2か月後に他界

聞いている私はとっさのことでよく理解できない。だって私の親友だったF子はすい臓がんと診断されたから2か月後にはこの世からいなくなっているんだよ。「がんではない」と言われたところで、じゃあ、のう胞って何? それでもE先生に言われるまま、半年後の婦人科検診の診察日を決めて、1か月後の消化器内科の受信日を決めていたんだけどね。

それにして病院っておっかないことを、出し抜けに言うよね。ってか、すい臓ののう胞がどれほど怖いのかもよくわからないから、それがまた不気味。

オバ記者
すい臓ののう胞ってナニ?
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会計の順番を待つ間にネットで調べたけど、私ののう胞がどんな状態なのかまでは当然わからない。

私は来年1月半ばの検診までどんな気持ちで過ごしたらいいのか。心配をしたらいいのか、それとも心配しなくていいのか。

どっちに転んでも、物だらけの家の片づけをしなくていいことにはならないけど、やる気、出ませんって。

◆ライター・オバ記者(野原広子)

オバ記者イラスト
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1957年生まれ、茨城県出身。体当たり取材が人気のライター。これまで、さまざまなダイエット企画にチャレンジしたほか、富士登山、AKB48なりきりや、『キングオブコント』に出場したことも。バラエティー番組『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)に出演したこともある。昨年10月、自らのダイエット経験について綴った『まんがでもわかる人生ダイエット図鑑 で、やせたの?』を出版。

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