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春に旬を迎える「さやえんどう」、品種による栄養価の違いやおすすめの調理法

ざるにのった絹さや

さやえんどうから摂ることができる栄養素とは?(Ph/photoAC)

春から初夏にかけて旬を迎えるさやえんどうには、栄養がたっぷりだと野菜ソムリエプロの福島玲子さんは話します。どんな栄養が含まれているのか、詳しく解説していただくとともに、品種ごとのおすすめの調理法を教えていただきました。

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栄養たっぷりのさやえんどう、品種により異なる栄養素

きぬさやスナップエンドウなどの総称であるさやえんどうは、栄養豊富な緑黄色野菜です。どんな栄養が含まれているのか、詳しく解説します。また、品種によって異なる栄養についても紹介します。

さやえんどうの豊富な栄養を解説

さやえんどうには、ビタミンCがたっぷり。風邪を予防するほか、抗酸化作用なども期待されます。また、食物繊維も多く、便通を整える働きがあります。

疲労を回復するビタミンB群も豊富で、肌荒れを予防する効果も期待できます。さらに、抗酸化力が強いβ-カロテンも含まれていて、体内でビタミンAに変化し、肌や視力の健康維持や免疫力の維持に働きかけます。ほかにも、カルシウムの吸収を促進し、止血効果もあるビタミンKも入っています。

貧血の予防にも効果的です。豆にはリジンという体内では生成できない必須アミノ酸の一種が含まれ、体の組織の修復を促す働きや、肌の組織を整えるなどの効果があります。

茹でたスナップエンドウ

さやえんどうは栄養豊富な緑黄色野菜(Ph/photoAC)

ほかにも、さやえんどうにはモリブデンというミネラルの一種も含まれます。体内で鉄分の利用を促したり、尿素や脂質、糖質の代謝に働きかけたりといった効果があります。

きぬさやは特に栄養アップ!含有量の違い

さやえんどうは品種によって、含まれる栄養素の含有量が異なります。

可食部100gあたりのビタミンC量は、きぬさやが60mg、スナップエンドウは43mgと、きぬさやの方が1.5倍近く多く含んでいます(『日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」より)。

ビタミンKもきぬさやは可食部100gあたり47μg、スナップエンドウは33μgとこちらも1.4倍ほどきぬさやのほうが多く含まれています。

きぬさや&スナップエンドウをおいしく調理するワザ

きぬさややスナップエンドウは、もちろん好みがありますが、レシピによって使い分けをするといいでしょう。それぞれに合ったおすすめの調理法をお話しします。

スナップエンドウの炒め

きぬさやとスナップエンドウは料理によって使い分けるのがおすすめ(Ph/photoAC)

くたっとしてもおいしいきぬさやは和風レシピで

和風のレシピで使うことが多い、きぬさや。肉じゃがや味噌汁に添えたり、親子丼などの卵とじの和食に使ったりするイメージを持っている人が多いのではないでしょうか。

きぬさやの魅力は、やわらかさを楽しめること。くたくたに煮てもおいしいので、煮物や汁物の具として活用できます。逆に食感を楽しみたいならば、加熱調理の最後にさっと入れるのがおすすめです。

スナップエンドウは洋風に!シャキシャキ感を楽しむ

一方のスナップエンドウは、どちらかというと洋風のレシピに向いている野菜です。炒め物や蒸し焼き、パスタの具材など、食べごたえのある調理法でいただくのがよいでしょう。

ボリュームを活かして、丸ごと焼くだけの調理でもおいしいですし、ウインナーやベーコンなどと一緒に炒めても風味が加わっておいしいです。スープに入れて、シャキシャキとした歯ごたえを楽しむのもいいですよ。

◆教えてくれたのは:野菜ソムリエプロ・福島玲子さん

野菜ソムリエの福島玲子さん

野菜ソムリエプロ・福島玲子さん

ふくしま・れいこ。野菜ソムリエプロのほか、アスリートフードマイスター2級、ジュニア食育マイスター、食の検定1級、ベジフルカッティングスペシャリスト、エコクッキングナビゲーターなど多数の資格を持ち、日本野菜ソムリエ協会創立 20 周年記念事業『野菜ソムリエ名鑑 vol.1』に掲載されている。現在は、“野菜や果物から健康に”との考えを大切に講演・セミナー講師、イベント・セミナー運営サポート、コラム、料理教室、レシピ開発や監修・ジュニアアスリートの栄養指導・など、多岐にわたって活動中。https://ryufrei.com/

構成/イワイユウ

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