更年期

「女性の健康週間」だから意識したい更年期対策 「とるべき食材・避けたほうがいい食材」を管理栄養士が解説

食事をする女性
女性の健康問題の1つが更年期の不調
写真7枚

毎年3月1日から3月8日は厚生労働省が定めた「女性の健康週間」ということを知っていますか? ライフステージによってさまざまな悩みが生まれる女性の健康問題の中でも、とくに更年期の悩みにフィーチャーし、不調の改善に役立つ栄養素や食材を管理栄養士の小原水月さんに教えてもらいました。

* * *

「女性の健康週間」の取り組み

女性の健康週間は女性が健康で充実した日々を過ごせるよう、女性の健康づくりを支援する取り組みです。

3月のカレンダー
毎年3月1日から3月8日は「女性の健康週間」
写真7枚

たとえば、厚生労働省が行う「スマート・ライフ・プロジェクト」では今年、女性のやせすぎと健康の関係をテーマにコンテンツがウェブで公開されています。また、地方自治体や企業がイベントを主催し、子宮頸がんや乳がんなど女性特有の疾患に関する情報発信や検診の呼びかけ、更年期障害に関する相談受付なども行われます。

更年期の悩みの予防・改善に役立つ栄養素

女性の健康というテーマにおいて外すことができないのが、更年期にあらわれるさまざまな不調です。これに関係しているのが、体を作る基本となる食生活です。大豆イソフラボン、カルシウム、ビタミンEを、とくに更年期に意識して摂りたい理由について詳しく紹介します。

大豆イソフラボン

大豆イソフラボンは、女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをする成分です。女性ホルモンの分泌が急激に減り、ホルモンバランスが崩れることで、不調を感じやすい更年期に、大豆イソフラボンが補足的に働くことが期待されています。

また、大豆イソフラボンが腸内細菌によってエクオールという物質に代謝されると、女性ホルモンのような働きは、さらに強くなります。

大豆食品
大豆イソフラボンが女性ホルモンのような働きをする
写真7枚

一方、大豆イソフラボンは過剰摂取による健康被害の懸念もあります。大豆イソフラボンの1日の摂取目安の上限値は70〜75mg(食品安全委員会「大豆イソフラボン」https://www.fsc.go.jp/e-mailmagazine/sousyuhen.data/09.pdf)と設定されています。短時間で大量に摂取しやすい豆乳や豆乳飲料などの飲み物よりも、他の栄養素も含まれバランスよく摂取できる大豆や豆腐、油揚げ、がんもどき、納豆などで大豆イソフラボンを摂りましょう。

カルシウム

閉経後の女性はエストロゲンの減少により骨密度が低下しやすくなります。骨折や骨粗鬆症の予防のためには、カルシウムが欠かせません。

カルシウムは牛乳や乳製品以外にも魚介類、藻類、豆類、種実類、野菜類に含まれています。特定の食品にこだわらず、さまざまな食材を摂りましょう。

ビタミンE

ビタミンEは女性ホルモンの分泌の調整や代謝に関わるビタミンで、更年期の症状を緩和する効果も期待されています。抗酸化作用を持ち、ストレスなどで発生した活性酸素のダメージから体を守る働きがある栄養素です。

アーモンド
ビタミンEは更年期症状の緩和が期待できる栄養素
写真7枚

更年期は女性ホルモンの分泌が急激に低下することで自律神経が乱れ、血行不良がおきやすくなります。この血行不良により、更年期には冷え性や頭痛、肩こりなどの不調があらわれやすくなるのです。また、女性ホルモンのエストロゲンは血管を保護する働きもあります。女性ホルモンの分泌量が低下すると、動脈硬化や血栓などのリスクが高まります。

ビタミンEには血管拡張作用があるため、血流を改善することで、冷え性や頭痛、肩こり、動脈硬化や血栓などのリスクの低減にも役立つ栄養素です。

ビタミンEはアーモンドや落花生などの種実類、米や小麦などの穀類、スケトウダラやブリなどの魚介類、油揚げや納豆などの大豆製品、かぼちゃやニラなどの野菜類といった食品に含まれています。ビタミンEは光に弱いため、食材を保存する際は光の当たらない場所で保管しましょう。