不調改善

《眼球マッサージはNG》目の老化を遅らせる習慣 「20-20-20」ルール、「蒸しタオル」、「ツボ押し」を紹介!

目の老化を遅らせる食事とは

目を構成する組織も、体の他の部位と同様に食べたもので作られているため、目の老化を遅らせるためには食事も重要です。

「目の健康を維持するための栄養素をしっかり摂り続けることもまた、目の老化をゆるやかにすることにつながります」

目のビタミン「ビタミンA」

まず摂りたいのは、目のビタミンとも呼ばれる「ビタミンA」。ビタミンAが不足すると光や色に反応する機能が低下するほか、ビタミンAが不足するとドライアイにつながることがあります。

目頭を押さえる女性
ビタミンA不足はドライアイの原因になることも(Ph/photoAC)
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「ビタミンAが多く含まれる食べ物は、レバー(牛肉・鶏・豚)、うなぎ、あん肝などになります。また、体内でビタミンAに変換されるβ-カロテンを豊富に含む、にんじんやモロヘイヤなどの緑黄色野菜も積極的に摂ったほうがいい食べ物です」

目薬にも含まれる「ビタミンB群」

2つ目は、目薬にも含まれている「ビタミンB群」。ビタミンB群は、ビタミンB1、B2、B3(ナイアシン)、B6、B12、葉酸、パントテン酸、ビオチンの8種類で、視神経を活性化させて筋肉の疲れを改善させる働きや、血流の改善効果、毛様体筋の主成分であるたんぱく質の吸収を補助して目の細胞の新陳代謝をサポートする働きなどがあります。

《ビタミンB群が多く含まれる食材》
・ビタミンB1:豚肉、うなぎ、ナッツ、豆類など
・ビタミンB2:魚介類、レバー、アーモンド、卵、乳製品など
・ビタミンB3(ナイアシン):魚介類、魚卵、肉類など
・ビタミンB6:野菜、穀類、魚介類など
・ビタミンB12:魚介類、海藻、レバー、肉類など
・葉酸:酵母、藻類、レバー、卵、乳製品など
・パントテン酸:豚肉、うなぎ、ナッツ類、豆類など
・ビオチン:酵母、キノコ、レバー、ナッツ類など

網膜の細胞を守る「青魚」

3つ目は「青魚」。さんまやさばなどの青魚に多く含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)というオメガ3系脂肪酸は、人間の体内ではつくることのできない必須脂肪酸であり、血液をサラサラにします。血管の老化防止に効果を発揮し、網膜にある錐体細胞や桿体細胞などの見るために重要な組織を守る役割があります。

さばの切り身
青魚に豊富なDHA、EPAも目にいい(Ph/photoAC)
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「EPAやDHAを手軽に摂るには、さば缶やさんま缶などの缶詰を活用するのもおすすめです。また同じ魚でも、揚げ物よりは煮魚、さらに生(お刺身)のほうが、よりEPAやDHAを多く摂ることができます」

酸化ストレスから守る「ファイトケミカル」

4つ目が「ファイトケミカル」。ファイトケミカルとは、野菜や果物、豆類などに含まれている化学成分のことで、強力な抗酸化力で体内の細胞を活性酸素から守る力があります。ファイトケミカルは数万種以上の種類がありますが、特に注目されているのが「カロテノイド」と「ポリフェノール」です。

特にカルテノイドの中では、桜エイやカニ、鮭などに含まれる「アスタキサンチン」、緑黄色野菜に含まれる「ルテイン」と「ゼアキサンチン」が、目の老化防止に効果があると言われています。

ブロッコリー
緑黄色野菜に含まれるルテインは目の老化防止に効果がある(Ph/photoAC)
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「ルテインが多い食材はブロッコリーやほうれんそう、かぼちゃ、にんじんなどで、ゼアキサンチンが多い食材はほうれんそう、クコの実、とうもろこし、パプリカ、柿、みかんなどが挙げられます」

ポリフェノールの摂取にはブルーベリー

ポリフェノールの中で目の健康を守る成分として注目されているのは「アントシアニン」です。ものを見るときには網膜に映し出された絵を脳に電気信号で送る必要がありますが、そのときに必要なのが「ロドプシン」という物質です。ロドプシンの合成が遅れると、視界がぼやけたり、かすんだりします。

「このロドプシンの再合成を助けるのがアントシアニン。ブルーベリーが目にいいといわれるのは、アントシアニンが豊富に含まれる食材だからです」

◆教えてくれた人:株式会社わかさ生活 代表取締役社長・角谷建耀知さん
かくたに・けんいち。18歳のとき、脳腫瘍の大手術によって視野の半分を失う。自身の経験から、自分のように目で困っている人の役に立ちたいとの想いで、1998年にわかさ生活を創業し、目の健康サプリ「ブルーベリーアイ」などを販売。現在は多数の企業や眼科医と連携して、商品の開発・情報発信を行う。著書に『歳をとっても目が悪くならない人がやっていること』(アスコム)、『長生きでも脳が老けない人の習慣』(同)など。https://ameblo.jp/wakasa-president/

◆監修:医学博士・森下清文さん
もりした・せいぶん。医療法人森下眼科理事長・医学博士。大阪医科薬科大学で研鑽を積み、同大学の講師として、白内障、緑内障、眼底出血などの診療と研究に従事。1991年に大阪市北区で森下眼科を開業。1992年4月から「市民健康講座 目の勉強会」を開始。全国各地で啓発活動を行う。https://morishitaganka.net/

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