不調改善

40〜50代でも注意が必要な「フレイル」、要介護にならないための早めの対策とは?

フレイルの予防・改善に役立つ食材

フレイルの改善・予防のためには、バランスのよい食事に加えて、体の組織を作る栄養素を摂ることも重要です。

そこで、体のさまざまな組織を作るのに欠かせない、たんぱく質と、骨や筋肉、神経の健康維持に必須の栄養素であるカルシウムを多く含む食材を意識的に取り入れましょう。

たんぱく質は鶏むね肉や豚肉、さば、卵、大豆製品に多く含まれています。朝食にプラス1品として納豆を加える、野菜の和え物にツナを混ぜる、常備菜に肉味噌を用意するなどで、普段の食事のたんぱく質を増やす工夫を考えてみてください。

ゴーヤのツナ和え
和え物にツナを混ぜるなど、食事にたんぱく質をプラスする工夫を
写真8枚

カルシウムは、小松菜、ひじき、乳製品、大豆製品、ごま、アーモンド、小魚などに多く含まれます。おやつに小魚アーモンドやヨーグルトを食べたり、味噌と牛乳を組み合わせて味噌ミルクスープにしたりすると、カルシウムの摂取量を増やせます。

フレイルの改善には漢方薬も役立つ

フレイルの改善には漢方薬も有効です。心と体の機能の低下を体質改善によって根本から改善する漢方薬は、血行をよくして栄養が全身に行き渡るように働きかけたり、体力や気力を回復させたりしてフレイルの症状を改善する効果が期待できます。

小皿にのった生薬
フレイル予防に効果が来たできる漢方薬2つ
写真8枚

フレイルの症状改善に役立つ漢方薬

・人参養栄湯(にんじんようえいとう)

エネルギーと栄養を補い、血流を促して全身に栄養を届け、元気を取り戻すのを助けます。手足の冷えや貧血、疲労倦怠、体力低下などの症状がある、体力が虚弱な人に用いる漢方薬です。

・補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

胃腸の働きをよくして消化・吸収機能を高め、疲れや体力を回復させます。疲れやすく、体力が低下している人に用いる漢方薬です。

→補中益気湯について詳しく知る

漢方薬を始める際の注意点

漢方薬は食事の工夫などでは不調が改善しなかった人でも、効果を感じる場合が多くあります。

ただし、漢方薬はその人の体質に合っていないと、よい効果が見込めないだけでなく、副作用が起こることもあります。自分に合う漢方薬を見つけるために、服用の際は漢方に詳しい医師や薬剤師に相談するのが安心です。

◆教えてくれた人:薬剤師・山形ゆかりさん

白衣の女性
薬剤師の山形ゆかりさん
写真8枚

やまがた・ゆかり。薬剤師、薬膳アドバイザー、フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ。牛角・吉野家ほか薬膳レストラン等15社以上のメニュー開発にも携わる。「健康は食から」をモットーに健康・美容情報を発信する「Medical Health -メディヘル-youtubeチャンネル」(@medicalhealth–7900)で簡単薬膳レシピ動画を公開するなど精力的に活動している。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」(https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/)でも薬剤師としてサポートを行う。

●《50代から増加》何もないところでつまずいたら要注意!「加齢による筋力低下」に今から備える簡単エクササイズ

●《加藤綾菜さんが学ぶ》要介護にならずに健康寿命を伸ばす!「フレイル」予防に実践したい簡単トレーニング

関連キーワード