家事・ライフ

樹木医として注目の後藤瑞穂さん「庭木を剪定するのは人間のエゴ」、その真意とは?

樹木を大切にして共存する必要性

排気ガスや騒音を和らげ、花や紅葉で景観を彩る樹木。身近にあるからこそ大切にしてほしいと瑞穂さんは願う。

「枝葉の伸長による道路への張り出しや落ち葉など、確かに手入れは必要です。ですが、クレームばかりではなく、素敵な木だなと思ったら、役所や行政にお褒めの言葉を届けていただくといいと思います。例えば、この公園に木があるおかげで木影ができて過ごしやすいんです、とか。

後藤瑞穂さん
役所や行政に樹木があることに対しての感謝の言葉を伝えて欲しい
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伐採が決まってから反対運動が起こることがありますが、それでは遅いんです。常日頃から重要性について声をあげていただけると嬉しいです。行政ともコミュニケーションをとって、適切な樹木は残す、そして危険な木は適切に対処することが必要です。

街路樹は並木として存在しています。全体として一つの樹木のようなものですから、木を蹴ったり、むやみに傷つけたりしないでいただきたい。木も生きていますから、頑丈そうに見えても弱ったり病気になったりします。当たり前のように身近にありますが、樹木は私たちを守ってくれているんです」

◆樹木医・後藤瑞穂さん

後藤瑞穂さん
樹木医・後藤瑞穂さん
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1968年生まれ。東京都出身、熊本県育ち。短期大学卒業後に造園設計に携わり、2001年熊本県初の女性樹木医に。最新樹木診断機器ピカスを日本で最初に導入。2007年「木風KOFU」設立。セミナーや講演のほか、テレビ番組『情熱大陸』(TBS系)出演など幅広い分野で活躍中。著書に『樹を診る女のつぶやき』(熊日出版)などがある。2021年、放送大学 教養学部 自然と環境コース卒業。https://kofu-japan.net/ceo/

撮影/浅野剛 取材・文/小山内麗香

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