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反町隆史主演『GTO』26年ぶりSPで思い知る主題歌『POISON』のグレイトさ 名作学園ドラマと主題歌はまさしく「時代を移す鏡」だった

不良生徒だらけの弱小ラグビー部が起こした奇跡の逆転劇を描いた『スクール・ウォーズ』(Ph/SHOGAKUKAN)
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「不良生徒」と向き合った1980年代

1980年代の学園ドラマのキーワードは「わかりやすい不良生徒」だろう。1980年前半は特に学校荒廃が全国的に問題になっていた影響を受け、ドラマでも「おお、こいつはあきらかにツッパリだ!」と露骨な不良ファッション&言葉遣いの生徒が登場。しかも意外に心根はイイ奴だったりする。『スクール☆ウォーズ〜泣き虫先生の7年戦争』(1984年)は熱かったなあ! 麻倉未稀さんが歌う主題歌『HERO』なんて、聴くだけで力がわいてくるもの。

主役のラグビー元日本代表の熱血教師を山下真司が好演(Ph/SHOGAKUKAN)
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『3年B組金八先生』(第1シリーズ:1979-1980年)も絶対外せない。髪を耳にかけ「あ、人という字はぁ↑」と首を振りながら言う武田鉄矢さんのモノマネは、今でも時々する。ちなみに私は三原じゅん子さんが演じる山田麗子の大ファンだった。

田原俊彦、野村義男、近藤真彦のたのきんトリオも出演(Ph/SHOGAKUKAN)
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主題歌は海援隊『贈る言葉』。歌詞にある「暮れなずむ」という言葉が最高である。授業と部活が終わった帰り道の夕方の風景が、特別に綺麗だったことを思い出せる。

武田鉄矢がボーカルを務めた海援隊9枚目のシングル『贈る言葉』(1979年)
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1980年代の終わりに放送された『はいすくーる落書』(パート1:1989年)は不良学生のたたずまいがガチであった。特に萩原聖人さん、的場浩司さんの迫力がハンパではなく、彼らの成長と、斉藤由貴さん演じるいづみ先生の成長は、ヒリヒリハラハラ目が離せなかった。

THE BLUE HEARTSが歌う主題歌『TRAIN-TRAIN』は最初、あまりにも飾り気のない歌声に感じられ、生徒役の方が特別ユニットを作り歌っていると勘違いし「それにしてはうまいな」とびっくりした覚えが……。止められないエネルギーが伝わってくる名曲である。

学園ドラマに「トレンディ」の風が吹いた

1989年から1990年代前半は、学園ドラマにも「トレンディ」の風が吹く。バブル景気を受け、学園生活までシャレオツに! 陣内孝則さん主演の『愛しあってるかい!』(主題歌:小泉今日子『学園天国』)と浅野ゆう子さん主演の『学校へ行こう!』(主題歌:チェッカーズ『How’re you doing,Guys?』)は、主題歌のノリまでスタイリッシュだった。カッコいいボーカル&シャウトと重なるOPタイトルはポップ、登場人物の洋服はやたらセンスいい、セリフはチャラい。ストーリーは「楽しかった」しか記憶に残らない。とにかく丸ごとバブル! これもまた名作の一つの在り方だ。

1989年放送の『愛しあってるかい!』で共演した陣内孝則と小泉今日子(Ph/SHOGAKUKAN)
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しかし1990年代後半からバブル後遺症が深刻化し、世の中がドッと暗くなる。さらにネットが一般普及し、それについていけない大人の信頼は地に落ち、2000年代前後の学園ドラマのキーワードも「シラケる生徒、いじめ」だ。

彼らに若者らしい情熱を思い出させる『GTO』(1998年)の鬼ッチ(破天荒型)や『ごくせん』(第1シリーズ:2002年)の仲間由紀恵さん演じるヤンクミ(可愛い熱血)もよかったが、やはり特筆すべきは『野ブタ。をプロデュース』(2005年)!

先生ではなく、人気者の生徒が学園を変えていくのが胸アツ。いじめられっ子、野ブタ役の堀北真希さんがきれいになり、自信をつけていく姿は眩しいほどだったし、なにかと深いドラマだった。このドラマの主題歌『青春アミーゴ』(修二と彰)は悪ガキ相棒感が絶妙。以前私はカラオケスナックで、40代くらいの男性2人が肩を組み、これ以上ないというほど楽しそうに「地元じゃ〜負け知らず〜♪」と歌っているのを見たことがある。尊くて泣けた。

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