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《梅雨時期が間もなく到来》犬や猫を飼っている人が注意したい「食中毒」「熱中症」「皮膚疾患」はどう防ぐベきか

犬
犬や猫を飼っている人が注意したい「食中毒」「熱中症」「皮膚疾患」(Ph/イメージマート)
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今年も間もなく梅雨の季節が到来します。連日、雨が続き、真夏に向かって気温も上がっていくこの季節、犬や猫を飼っている人はどのようなことに注意すべきでしょうか。獣医師の内山莉音さんに解説してもらいました。

梅雨は食中毒の季節

日本気象協会によれば、今年の梅雨期は「暖かく湿った空気が太平洋高気圧の縁を回って、日本付近にいつも以上に流れ込みやすくなる」ので、「降水量が多くなる」のだそうです。沖縄などではすでに梅雨入りしていますが、これから梅雨前線は東北地方まで徐々に北上します。

雨降りが多く、じめじめとしたこの季節、ペットを飼っている人がまず気を付けるべきことは、ずばり食中毒だと内山さんは言います。

「梅雨期は湿度と気温が高く、細菌が繁殖しやすいです。愛犬や愛猫が傷んだフードを食べてしまうことがないように注意しましょう。食べ終わった様子なのに、お皿に食べ残しがあるようなら、すぐに片付けてあげてください」(内山さん・以下同)

細菌性の食中毒は、サルモネラ菌やボツリヌス菌、ブドウ球菌などの細菌を、傷んだフードごと食べてしまうことで起こります。これらの細菌は体内でさらに増えて毒素を作り出し、発症した犬や猫は腹痛で元気がなくなったり、下痢や嘔吐をしたり、熱が出たりします。幼齢、高齢、病気療養中など、体力が弱い犬・猫は重症化しやすいので、しっかり対策したいところです。

猫
食中毒のリスクを減らすためにできることは?(Ph/イメージマート)
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このような食中毒のリスクを減らすために、飼い主さんができることに、以下のようなものがあります。

・フードは小さなパッケージのものを買い、できるだけ短期間で使い切る
・使い切れない場合は、フードがなるべく空気に触れないように密閉保存
・ウェットフードは冷蔵庫で保管する
・ドライフードも高温多湿を避けて保管する
・食べ残しは放置しない
・少食の子には最初から小分けして与える
・食器をしっかり洗浄する

「食べ残しには唾液がついていることもあり、特に傷みやすいので放置厳禁です。猫を飼っていて置きエサをしているかたは、少なくともこの季節は置きエサを控えたほうがいいでしょう」

夏に向けて活発になるノミやダニ

ダニやカビなども高温多湿の環境を好みます。ノミやダニ、カビが引き起こす皮膚疾患や感染症には長引くものや深刻なものもあるので、十分な対策が必要です。

「マダニも蚊も気温が上がると、どんどん活発になってきます。もちろん、春先から対策しておられる飼い主さんがほとんどだと思いますが、梅雨の季節も引き続き、予防をおこたらないようにしてください。特に屋外で犬を飼っているご家庭では、ノミやダニなどの外部寄生虫への対策を強化してほしいですね。マダニによる感染症は、命にかかわることがあります」

「濡れたら乾かす」を徹底して

ノミ・ダニ予防薬やフィラリア予防薬を動物病院で処方してもらって与えたり、被毛の内側が蒸れないようにブラッシングしたり、ブラッシングしながらノミ・ダニが付着していないかチェックしたりして、愛犬や愛猫の健康を守りましょう。

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ブラッシングしながらノミ・ダニが付着していないかチェックを(Ph/イメージマート)
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「特に犬の場合は、散歩で小雨を浴びたり、地面の水がはねてお腹にかかったりして、身体が濡れることが多いと思います。濡れたら乾かす。基本的なことですが、徹底してください。タオルやドライヤーを使って、しっかり乾かしましょう。外出して身体が濡れた後に、そのままお気に入りのクッションやタオルなど、布製品の上に寝そべってしまうと、蒸れて菌も発生しやすいです」

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