不調改善

いびき対策の鍵は枕にあり!肥満の人はダイエットが最優先

近年、「いびき」に悩む女性が増えている。2017年11月、寝具メーカーのフランスベッドが20~60代の男女1000名を対象にした「いびきに関する実態調査」を発表した。

いびきを分析(写真/アフロ)
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これによると「いびきに悩んだことがある」と答えたのは男性で42.5%、女性は33.8%。いびきは男性のものと思われがちだが、女性の3人に1人が悩んでいることが判明した。

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いびきの大きな人は、睡眠中に気道が完全に塞がり、呼吸が中断される『睡眠時無呼吸症候群』を患っているケースが多いが、無呼吸が続くと心身に過度な負担がかかり、これを和らげるために分泌される副腎皮質ホルモンが増えると糖尿病リスクが高まることがわかっている。また無呼吸は心臓に負担をかけるので血圧が上昇し、心筋梗塞や脳卒中のリスクも増加する。

睡眠時無呼吸症候群の患者は、健康な人にくらべ脳卒中のリスクが3倍になるというデータもある。知れば知るほど恐ろしい就寝時のいびき。治療法はないのか?

銀座コレージュ耳鼻咽喉科院長の都筑俊寛先生によれば、鍵は枕にあるという。

「いびきをかく人の中には、自分に合った枕を使っていないケースが散見されます。枕は低すぎると顎が持ち上げられて口呼吸になりやすく、反対に高すぎると気道が圧迫されてしまう。適切な高さの枕に変えることで、いびきが改善されるケースは多いです」

肝心の高さは、気道を狭めないよう首に圧迫感がなく、肩と背中が布団に接するものがよいという。

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気道が真っ直ぐになれば、いびきも自然と消えていく。

「一般的には10cmほどの高さの枕が最適です。素材は硬すぎず柔らかすぎず、頭を置いたときにしっくりくる感覚を大切にする。売り場では商品を見るだけでなく、実際に試してから購入するといいでしょう」(都筑先生)

仰向けではなく、横向きに寝るだけでもいびき低減の効果はある。

「仰向けの姿勢だと、舌が喉の奥に落ち込み、そのぶん気道が狭くなっていびきが出やすい。横向きに寝ると、舌の落ち込みを防ぐことができるんです」(都筑先生)

また、肥満体形でいびき持ちの人は、一にも二にもダイエットが最優先。

前述した通り、いびきの要因の1つは、喉まわりの脂肪が増え、気道が塞がること。ここから睡眠時無呼吸症候群へと繋がる人は多いという。

「女性の場合は身長から90を引いた数字の体重を目安にするといいでしょう。150cmであれば60kg。これを超えるといびき、無呼吸のリスクが高まります。男性は身長から100を引いた数字が目安です」(都筑先生)

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さらに症状が悪化した場合、医療機関で正式に治療する方法もある。

いびきの治療でまず選択されるのが、専用の機器を使って酸素を送り込むCPAP(シーパップ)という方法だ。

睡眠時無呼吸症候群の診断を受けていれば保険適用となり、空気で気道を広げるため、効果は大きい。しかし、マスクを装着して就寝しなければならず、不快感が残る上、機器の持ち運びが不便なために、旅行先などには持って行きにくいというデメリットも。

「そこで、外科的手術でいびきの原因を取り去る治療法も存在します。口蓋垂の大きさが原因であれば、レーザー治療で組織を切除するのです。90%以上の人に効果が認められています。

ただ、いびきの原因の多くは肥満や飲酒など、生活習慣的によるものです。長期的なスパンで見るなら、日々の生活を見直すことが何よりも大切です」(都筑先生)

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10年間で体重が15kgも増えたという都内在住の主婦B子さん(46才)は、1年前に夫からいびきのうるささを指摘され、生活リズムを省みた。

「もともとお酒は好きだったし、3人目の子供を産んでからの10年は、育児のストレスもあってだいぶ食べました(苦笑い)。そしたらこんな肥満体形になっちゃって…。

夫と相談して、いびき云々よりも、まず食生活を見直してやせることを課題にしました。一念発起して酒を断ち、ダイエットを敢行したところ、どうにか5か月で8kg減。首まわりの贅肉がスッキリ落ちたと思ったら、同時にいびきも消えた事を夫に伝えられて。私のいびきは、自堕落な生活の象徴だったことがわかりました。ある意味、この一件が戒めになりました」

いびきの解消は、美容から健康まですべてに通じるのだ。

※女性セブン2018年6月14日号

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