ペット・動物

病気が潜んでいることも。犬や猫の飼い主が注意すべき”ニオイ”のポイント

肛門腺トラブルに注意

続いて、お尻のニオイ。犬や猫には肛門の左右に肛門腺(肛門嚢)があります。仲間とのコミュニケーションや個体識別に使う、ニオイのする分泌液を溜めておく器官です。分泌液は排便の際に一緒に出たり、興奮したときに出たりします。

子犬
Ph/Getty Images
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「肛門嚢に分泌液が溜まってくると、自分で肛門腺をこすってしまったり、場合によっては肛門嚢が破裂してしまいます。目に見える炎症ですし、ペット自身もお尻を地面にこすりつけたり、しきりと舐めたり、何かと気にする様子が見られると思うので、病院に連れて行ってあげてください」

◆”肛門腺しぼり”は必要?

日頃から人手で“肛門腺しぼり”をする必要があるかどうかは、愛犬や愛猫の体質しだいです。必要があればしぼってあげたり、病院やペットサロンにお願いしたりして、分泌液が溜まりすぎないように気を付けてあげたいですね。

普段のニオイを覚えておくことが大切

最後に、フンのニオイです。フンはどうしてもにおうものですが、特にニオイが強くなるときがあります。

子猫
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「犬や猫はもともと肉食動物です。食べ物を消化する酵素も肉食を前提として備わっているので、繊維質の強い食べ物などを与えた場合に、消化不良ぎみになってフンが臭くなることがあります」

◆飼い主の温かいまなざしがペットの健康を守る

食べ物が合わないと、下痢や血便になることも。ペットの健康状態について、フンを見て分かることも多いので、排便の回数や色、ニオイ、硬そうか軟らかそうかなど、普段から気を付けておくとよさそうです。

「フンもそうですが、犬や猫は人間の言葉がしゃべれないので、普段の状態を飼い主さんが覚えておくことが大切です。うちの子の体臭はこれぐらい、被毛の下の皮膚はこんな色、と覚えておいて、普段と様子が違ったら原因を探る。そうすると病気を早期に発見できると思います。飼い主さんの温かいまなざしが、ペットの健康を守ります」

教えてくれたのは:獣医師・山本昌彦さん

獣医師・山本昌彦さん
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獣医師。アニコム先進医療研究所(本社・東京都新宿区)病院運営部長。東京農工大学獣医学科卒業(獣医内科学研究室)。動物病院、アクサ損害保険勤務を経て、現職へ従事。https://www.anicom-sompo.co.jp/

取材・文/赤坂麻実

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