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【64歳オバ記者 介護のリアル】93歳母ちゃんの劇的回復を支えた介護のプロたちの仕事ぶり

母ちゃんの回復ぶりに訪問看護師さんが涙

ただ、この婆さんにも取り柄はあって、他人にはすごくいい笑顔を見せるんだわ。この顔を見た訪問看護師さんは、「ヤマザキさんってこんな性格の人だったんですね」と言って泣きだした時はびっくりしたわよ。わけを聞いたら、

元気な顔の母ちゃんに泣いて喜んでくれた訪問看護師さん
元気な顔の母ちゃんに泣いて喜んでくれた訪問看護師さん
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「病院にいたときは、笑顔なんか見たことなかったし、話といっても『お母ちゃ~ん、お父ちゃ~ん』ってうわごとだけ。ほんとに、”家の力”ってすごいもんなんですねぇ」と涙を拭きながら話してくれたの。

身内でもないのに、93歳の婆さんが回復したことをここまで喜んでくれる。そう思ったらついもらい泣きしそうになったっけ。

それにしても母ちゃんの世話をしに来てくれたのは看護師さん4人に、ヘルパーさん2人、訪問入浴の人は毎回3人。入れ替わり立ち替わり毎週、5人から8人前後の人が世話してくれた。

オバ記者の母親
箸を使ってご飯を食べられるように
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43歳から65歳までホームヘルパーをしていた母ちゃんが、今は介護される側だ。母ちゃんは2階に寝ている利用者さんをお風呂に入れるために、下からバケツで何度もお湯を運んでいたのだそう。ある時、訪問入浴でサッパリした顔の母親に、

「どした、いい世の中になったが?」と聞いたら、この時ばかりは私の目をちゃんと見て、「まさがなぁ」と大満足の笑顔を見せた。

◆ライター・オバ記者(野原広子)

オバ記者イラスト
オバ記者ことライターの野原広子
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1957年生まれ、茨城県出身。体当たり取材が人気のライター。これまで、さまざまなダイエット企画にチャレンジしたほか、富士登山、AKB48なりきりや、『キングオブコント』に出場したことも。バラエティー番組『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)に出演したこともある。昨年10月、自らのダイエット経験について綴った『まんがでもわかる人生ダイエット図鑑 で、やせたの?』を出版。

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