エンタメ・韓流

『悪女(わる)』は30年経てどう変わったか 令和版の今田美桜は「褒め上手」、平成版の石田ひかりは「ラスボス」

『悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~』は令和になって再びドラマ化
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社内で偶然出会った男性に一目惚れし、イニシャルを手がかりに探す新入社員のラブコメストーリーを軸に、会社で働く女性たちが直面する困難と、それを乗り越える姿を描く──平成の初期に日本テレビ系でドラマ化された作品が、令和になって再ドラマ化され話題の『悪女(わる)〜働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?〜』(同局系、毎週水曜午後10時~)。1980〜1990年代のエンタメ事情に詳しいライターの田中稲さんが、平成版と令和版を比べつつ、作品の魅力を語り尽くします。

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「今年入社しました田中麻理鈴です。本名です。麻理鈴というのは、じいちゃんがマリリンモンローのファンでして」。

キラキラネームも自己アピールの王手に変える伝説の新入社員、田中麻理鈴が令和を元気にする! 1992年、石田ひかりさんが演じて話題になったドラマ『悪女(わる)』が30年の時を経て再びドラマ化された。今田美桜さんが2代目麻理鈴を演じる、『悪女(わる)〜働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?〜』が好調だ。

ポンコツだが底なしに明るい田中麻理鈴が、愛嬌と根性、そして一目惚れしたT・Oさんに再会したい! という恋心をパワーに、出世を目指すというストーリーだ。人間ドラマを前に押し出した平成版と比べ、令和版はビジュアルを原作マンガに限りなく近づけ、ポップさ、明るさ、テンポが増し増しに。テーマも、コロナ禍での入社やダイバーシティ、副業問題など、今の時代が直面する課題が細かく練り込まれている。

田中麻理鈴という跳ねキャラを演じた石田ひかりさんと今田美桜さんは、個性を活かして、この役を伸び伸びと演じている。この「麻理鈴」という役は平成、令和それぞれの時代の変革期に登場し、伸び盛りの女優に受け継がれていきそうだ。

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