スキンケア

“たっぷり保湿”は大人に必要なし?63歳皮膚科医が実践する目からウロコの保湿術

「肌がヒンヤリしてきたらOK」は本当?

「化粧水をタップリ使えば使うほど効果的」という情報のなかには、「パッティングして肌がヒンヤリと潤ったら、肌の奥に化粧水が届いた合図」というものがあります。

「残念ながら、間違いしかありません。繰り返しになりますが、化粧水自体に意味はほとんどない上、手やコットンで肌をこすって傷つけています。肌がヒンヤリするのは、水分が蒸発するときに、肌の熱も奪っていくから。肌の表面温度が下がっただけです」

ヒンヤリするのは、肌の表面温度が下がるから(Ph/イメージマート)
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乳液やオールインワンだけに切り替えて肌改善の例

雨で体が濡れたままだと冷えて寒くなるのと一緒です。どんなに肌の保湿をしようとしても、浸透するのは角質層・2層分まで。成分を「ナノ化」して浸透しやすくした化粧水でさえ、4層から5層分までしか浸透しません。

「シートマスクも同様です。これらが、肌の本来持っている生まれ変わりの機能をアシストするとは考えにくいので、リラクゼーションと割り切るのがよいでしょう」

石井さんのクリニックを訪れる、ニキビや肌荒れ、湿疹に悩んでいた患者さんで、思い切って乳液やオールインワンだけのお手入れに切り替えた人は、早ければ2週間で症状が改善され始めているそうです。

「最小限の保湿は必要だけれど、もっと肌を信じて、任せてあげてもいいのではないでしょうか。私自身、63年生きてきた中で、必要充分・最低限のスキンケアにたどり着いた今が一番、肌の調子がいいのです」

◆教えてくれたのは:形成外科・皮膚科医・石井美夏さん

形成外科医・皮膚科医の石井美夏さん
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1959年生まれ。愛知県名古屋市出身。1984年、信州大学医学部卒業後、国立小児病院、昭和大学医学部形成外科教室およびその関連病院、亀田総合病院・形成外科、皮膚科などでキャリアを積み、2001年、東京・吉祥寺に「美夏クリニック」開院。形成外科・皮膚科・美容外科の3つのアプローチで「患者さんの個性に合った最適な治療法」を提案し、乳児から90代まで幅広い女性たちから信頼を得ている。https://www.mika-clinic.com/doctor/

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