エンタメ・韓流

「永遠の若大将」加山雄三から始まった湘南サウンド サーフィン、エレキも広めた功績

紅白出場は17回を数える(写真は2000年の紅白、Ph/SHOGAKUKAN)
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湘南を盛り上げる運命を背負って

加山さんが自作したのはサーフボードだけではない。まだまだ作詞作曲と歌い手が分業だった1960年代から「弾厚作」のペンネームで作曲し、大ヒットさせている。

彼とかかわりのある茅ヶ崎出身のアーティストが湘南サウンドを続々生み出していくのもエモーショナル。学校の後輩がザ・ワイルドワンズの加瀬邦彦さん。加山雄三さんが経営に携わっていた「パシフィックホテル茅ヶ崎」でバイトをしていたのが桑田佳祐さん。サザンオールスターズの名曲『HOTEL PACIFIC』の舞台は、「パシフィックホテル茅ヶ崎」だ。

きっと多くの人にとって「湘南」は名曲地区。私の頭の中ではもう「恋やらセンチメンタルやら夏の記憶やらが、波とサーフボードと音楽に乗って、ざっぷんざっぷん押し寄せる魔境」くらいに膨れ上がっている。

その風景を見るだけで、エレキギターのチキチキチキチキ! と、ピアノのポロンポロン……という音が混じって浮かぶ。ピアノのイメージはきっと原由子さん由来なのだが、エレキは間違いなく加山雄三さんの影響だろう。『蒼い星くず』『夜空の星』。たとえ歌詞に「湘南」と出ていない楽曲でも、サブリミナル効果バリにぶわーっと見えてくるから不思議だ。

「湘南エモいプレイリスト」を作るとしたら選曲に3日くらいかかりそうだ。私は江ノ電が大好きなので、あの電車と民家がこすれるんじゃなかろうかと思う緊張感から、バーーッと正面に海が見える解放感に合わせて、曲を選びたい。

加山雄三さんのインストゥメンタル『ブラック・サンド・ビーチ』、サザンオールスターズの『勝手にシンドバッド』、ザ・ワイルドワンズの『想い出の渚』、せっかくだから石川秀美さんの『ゆ・れ・て湘南』、荻野目洋子さんの『湘南ハートブレイク』も入れたいなあ。桑田佳祐さんの『波乗りジョニー』……いや、今は夏の終わりだから『夏をあきらめて』にするか。ああもう、両方入れちゃえ!

皆さんの湘南プレイリスト、はずせない一曲は何でしょう。

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