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50周年のユーミンが「いつも新しい季節を連れてくる」秘密 夫が綴った「不器用」さ

冬の季語に提案された「ユーミン」

ところが、である。「ユーミン」は冬の季語となっているという情報を見つけた。ふ、冬か……!

思い出してみれば、1987年に大ヒットしたホイチョイ映画『私をスキーに連れてって』でも、『BLIZZARD』『サーフ天国、スキー天国』など、ユーミンがガンガン流れていたっけ。時はバブル期。当時大流行したウィンタースポーツをアクティブに楽しんだ人は特に、ユーミンの冬ソングと青春がリンクするのだろう。それに、これからクリスマスに向け町中に鳴り響く『恋人がサンタクロース』もテッパンだ。ああ、そう考えれば確かに冬こそユーミン!

冬の季語にもなった(写真は1976年、Ph/SHOGAKUKAN)
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ただ、ちょっと待て。そもそも季語って人名もエントリーできるのか!? 勝手な想像だが、季語は10年に一度くらいのスパンで、自然に由来する言葉を入念な審査の末決めていると思っていた。調べてみると、「ユーミン」の季語は季語に「認定」というより、1994年に俳人・黛まどかさんが発足させた女性だけの句会「東京ヘップバーン」の「試み」の一つだったようだ。新たな時代に合う季語として「ユーミン」が冬、「サザン」が夏、「山下達郎」が夏と冬の季語として提案されたらしい(句会はその後解散)。

夏井いつき先生の俳句チャンネルを観ると、季語は認定する特別の機関があるわけではないらしい。ただ、「長い年月をかけながら、たくさんの人が『これは季語ですね』って認識していくような、いろんな手順があるんだよね。時間がかかるんです」とのこと。

バブル期にも大ヒットを連発(写真は1982年、Ph/SHOGAKUKAN)
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ううむ、複雑。ユーミンを調べているうちに、思わぬ季語の情報を仕入れることができた。ユーミンは、様々なベクトルで、私に「季節」について考えさせてくれる。

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