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デビュー35周年の工藤静香、カラオケで“追い静香”をしたくなる「魔力と中毒性」

セルフカバーで聴く『千流の雫』が素晴らしい

そんなトライ&エラーを繰り返しながら工藤静香さん楽曲と親しんできた私。一番好きな楽曲は何かと問われれば、『千流の雫』と『雪・月・花』の2曲同率である。中島みゆきさん作詞作曲の『雪・月・花』は、圧倒的な満たされなさと、工藤静香さんの持つ勝気な感じがぶつかり合って、ヒンヤリとした空気が流れ出る感じがたまらない。

デビュー35周年の工藤静香(写真は2012年、Ph/SHOGAKUKAN)
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『千流の雫』は、「愛絵理」というペンネームでご本人が作詞。シングル盤もいいが、ソロデビュー35周年を記念し、今年リリースされた初のセルフカバー・アルバム『感受』に収録されたセルフカバーバージョンを私は推す! 甘い声はそのままといっていいほど変わらず健在。言葉をそっと置くように繊細に歌い、そこにピアノが絡み、震えるほど儚い。静かな夜、枕を抱えながらひとり、イヤホンでじっくり聴きたくなるような美しいカバーだ。

今年、紅白歌合戦にぶりに出場する彼女。何を歌ってくれるのがとても楽しみである。『千流の雫』、歌ってくれないかな……。

◆ライター・田中稲

田中稲
ライター・田中稲さん
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1969年生まれ。昭和歌謡・ドラマ、アイドル、世代研究を中心に執筆している。著書に『昭和歌謡 出る単 1008語』(誠文堂新光社)、『そろそろ日本の全世代についてまとめておこうか。』(青月社)がある。大阪の編集プロダクション・オフィステイクオーに所属し、『刑事ドラマ・ミステリーがよくわかる警察入門』(実業之日本社)など多数に執筆参加。他、ネットメディアへの寄稿多数。現在、CREA WEBで「勝手に再ブーム」を連載中。https://twitter.com/ine_tanaka

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