不調改善

“老人脳”にならないために…今すぐできる食べ方の工夫と“若返り遺伝子”を活性化させる7つの栄養素

サーチュイン遺伝子を活性化させるといいことずくめ

動物性たんぱく質だけでなく、西さんが注目しているのがサーチュイン遺伝子。

「若返り遺伝子として知られ、活性化すると、神経の衰えがゆるやかになる、心筋の保護をする、シミやシワが改善される、難聴や視力低下が回復する、炎症や免疫が改善、肝臓の代謝が改善、インスリンの分泌を促すなど、老化を穏やかにすることで寿命が伸びることが科学的に証明されています」

果物やスポーツに関するアイテム
注目のサーチュイン遺伝子を活性化させる栄養素を紹介(Ph/photoAC)
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このサーチュイン遺伝子を活性化させる栄養素は7つあります。食生活やサプリメントなどでうまく取り入れてみましょう。単体でも効果があるので、無理にすべてをとらなくてもよいそうです。

【1】ナイアシン
かなり強くサーチュイン遺伝子を活性化させる栄養素で、特にかつお節に多く含まれます。ほかにもまいたけ、たらこなどにもあります。

【2】エラグ酸
ポリフェノールの一種でいちごやブラックベリーに含まれます。ブルーベリーにも含まれますが、ブルーベリーに比べてブラックベリーは300倍ほどの含有量。ほかにもクランベリーやザクロにも含まれ、美白効果もあります。

木苺
ポリフェノールの一種・エラグ酸を豊富に含むブラックベリー(Ph/photoAC)
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【3】レスベラトロール
ワインなどに含まれるポリフェノールの一種。ただし、サーチュイン遺伝子を活性化させるには10Lの赤ワインを飲まなければならず、現実的ではないのでサプリメントなどで摂取しましょう。

【4】プテロスチルベン
ブルーベリー、オメガ3系の油、青魚、マグロのトロなどに含まれます。こちらもかなりの量を食べる必要があるので、サプリメントでの摂取がおすすめです。

【5】EPA、DHA
サバやアジなどの青魚に多く含まれていて、頭がよくなる油と言われています。1日5g程度の摂取が必要で、サバなら3切れほどの量です。サバ缶を食べるのもOK。オメガ3系の油やブリ、ウナギ、あん肝、マグロのトロなどにも含まれています。魚の脂身部分に多く含まれているので、脂の乗った旬のものを食べるとより効果が期待できます。

ザルの上にのったアジ
EPA、DHAは青魚などに多く含まれる(Ph/photoAC)
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【6】ビタミンC
ビタミンCを1日1g摂取すると、若返り遺伝子が活性化することがわかっています。さまざまな果物や野菜に多く含まれている栄養ですが、アセロラはとくに含有量が多いです。

【7】ビタミンD
ビタミンDにはきのこ類に含まれるビタミンD2と、あん肝やしらす干し、いくら、ウナギなど魚介類の油の中に多く含まれるビタミンD3があります。このうち、若返り遺伝子を活性化させるために摂りたいのはビタミンD3です。ただし、厚生労働省が定める1日の上限は100μgで、過剰摂取すると健康被害の恐れがあります。

外に向かって手を広げる女性
ビタミンDは日光を浴びることでも作られる(Ph/photoAC)
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そこで、太陽の力でビタミンD3を作る方法を取り入れるのがおすすめです。日光を浴びることで、皮膚にあるビタミンDの前駆体というものがビタミンD3に変換されるのです。食材やサプリメント、日光を浴びる時間を生活に取り入れてみましょう。

◆教えてくれたのは:脳科学者(工学博士)、分子生物学者・西剛志さん

西剛志さん
脳科学者(工学博士)、分子生物学者の西剛志さん
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東京工業大学大学院生命情報専攻卒。博士号を取得後、特許庁を経て、2008年に企業や個人のパフォーマンスをアップさせる会社を設立。世界的に成功している人たちの脳科学的なノウハウや、才能を引き出す方法を提供するサービスを展開し、企業から教育者、高齢者、主婦など含めて1万人以上をサポートしている。テレビやメディアなどにも多数出演。著書シリーズは『80歳でも脳が老化しない人がやっていること』(アスコム)をはじめとして累計17万部を突破。http://www.trdesign.jp/designer.html

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