不調改善

目がかゆくなる「結膜炎」、花粉など原因別の対処法と治りをよくする食材&漢方薬

結膜炎を早く治すのにおすすめの栄養素&食材

結膜炎の症状を鎮めるのに役立つ栄養素と食材をご紹介します。あくまでも栄養素のバランスが整った食事を摂ることが基本ですが、下記の栄養素を意識して取り入れることで、結膜炎の回復が早めることが期待できます。

ビタミンA(β-カロテン)

ビタミンAは、皮膚や目の粘膜を健康に保つのに欠かせない栄養素です。ビタミンAは、涙を目の表面に留めるために必要な物質を産生する働きがあります。また、角膜の上皮細胞を修復するヒアルロン酸の産生を促進します。そのため、目の潤いを保って乾燥から守り、傷ついた目の回復を助ける効果が期待できます。

ホタルイカの小鉢
春が旬のほたるいかにも豊富なビタミンA
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ビタミンAは、レバーやうなぎ、ほたるいかなどに多く含まれています。注意点として、ビタミンAは体内に蓄積しやすく、過剰に摂取すると体に害を及ぼす可能性があるため、食べ過ぎないようにすることが大切です。「日本人の食事摂取基準(2020年版)」において、18歳以上の男女ともに2,700μgRAE(レチノール活性当量)の耐用上限量が設けられています。豚レバーなら20g程度、うなぎなら100g程度を目安にしてくださいね。

また、色の濃い植物性の食品に含まれるβ-カロテンは、体内で必要に応じてビタミンAに変換されます。β-カロテンは過剰症の心配がほとんどないため、にんじんやかぼちゃ、ほうれん草、モロヘイヤなどを取り入れてみましょう。β-カロテンは油と一緒に摂ることで吸収率が高まりますよ。

オメガ3脂肪酸

オメガ3脂肪酸は人間の体内では作ることができない必須脂肪酸です。オメガ3脂肪酸は抗炎症作用をもつことがわかっており、アレルギー性結膜炎の症状を緩和する効果が期待できます。

サバ缶の中身
オメガ3脂肪酸は青魚の缶詰からも摂ることができる
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オメガ3脂肪酸は、アマニ油やえごま油などのほか、魚の油にも含まれています(DHA、EPA)。とくにさばやさんま、いわしなどの青魚、さけ、まぐろなどに豊富です。ただし、オメガ3脂肪酸は酸化しやすい性質をもつため、アマニ油やえごま油は、ドレッシングなどにして加熱せずに食べるようにしましょう。魚は刺身など生で食べるのがおすすめですが、缶詰などにも含まれているので、生活に合わせて活用してください。

結膜炎に有効な漢方薬

自然由来の医薬品である漢方薬は心と体の不調を根本改善し、副作用が少ないので、結膜炎の改善にもおすすめです。

いろいろな生薬
結膜炎に有効な漢方薬2つを紹介
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結膜炎の症状には、「炎症を抑える」「目のかゆみを抑える」「目の痛みを抑える」などの症状を緩和する生薬を含む漢方薬を選びます。また、「水分の巡りをよくして、目を潤わせて異物を排出する」「免疫力を高めてウイルスやアレルギーの繁殖を抑える」「血流を改善し、酸素や栄養を全身にいきわたらせることで体質を改善する」ことなどを目的とした漢方薬を複合的に選びます。

結膜炎でお悩みの人におすすめの漢方薬2つ

・小青竜湯(しょうせいりゅうとう)

体の「水」(すい・血液以外の水分)をコントロールし、余分な水分を排出して水分代謝を正常にしつつ、体を温める作用があります。花粉症などアレルギー性の症状にもよく用いられています。

・葛根湯(かっこんとう)

首から上の熱を発散させることにより、急性の炎症を鎮める漢方薬です。風邪や肩こりなどによく用いられますが、結膜炎にも効果があります。

漢方薬を始めるときの注意点

漢方薬は食事の工夫などでは不調が改善しなかった人でも、効果を感じる場合が多くあります。ただし、漢方薬はその人の体質に合っていないと、よい効果が見込めないだけでなく、副作用が起こることもあります。自分に合う漢方薬を見つけるために、服用の際は漢方に詳しい医師や薬剤師に相談するのが安心です。

◆教えてくれた人:管理栄養士・池田明日香さん

池田明日香さん
管理栄養士・池田明日香さん
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いけだ・あすか。管理栄養士。大学卒業後、管理栄養士として治験コーディネーター業務に携わった後、食品メーカーにて料理教室運営や商品・メニュー開発などに従事する。食事を楽しむことと健康的な食生活の大切さを感じ、現在は食と健康関連のコラム執筆、オンラインでのダイエットサポートなどで活動中。さらに、今までの経験をいかし 、「あんしん漢方」(https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/ )などで情報発信している。

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