ペット・動物

犬のトイレ、しつけのコツを獣医師が伝授!「失敗しても絶対に叱ってはいけません」

犬の食糞、健康には害がないけれど……

愛犬が自分のウンチを食べてしまう、食糞(ふん)のことでお悩みの飼い主さんも実は多いようです。食糞は健康被害につながったりしないのでしょうか。

「健康上は問題ありません。お母さん犬が子犬のお尻をなめて排泄を促してやったりしますし、お尻をなめたりウンチを食べたりすることは、犬にとっては汚いことや悪いことではないんです。

ただ、飼い主さんにしたら、さっきウンチを食べたその口で飼い主さんの顔をなめに来られるとなかなかつらいものがありますよね。シンプルに臭いですし。また、お腹に寄生虫がいる場合には、ウンチの中にその卵などが排泄され、食糞でまたお腹に戻る…というケースもあるので注意が必要です」

やめさせるのは食事量を見直すことも効果的

犬の健康には害がないとしても、なんとかやめてもらいたい行動です。やめさせる方法はないのでしょうか。

食事する犬
やめさせるのは食事量を見直すことも効果的(ph/イメージマート)
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「ウンチをなるべくすぐ片付けることと、食事量を見直すことでしょうか。今はペットフードも進化して、犬にとって魅力的な香りがするので、それが排泄された後も残っていて、お腹が空いているとつい食べてしまうのだと考えられます。市販のペットフードは与える量の目安がパッケージに記載されているので、それを参考に適切な量をあげてください」

フードを手作りする場合や、自分で計算してみたい場合は、まず安静時のエネルギー要求量(kcal)を「体重(kg)×30+70」の計算式で求め、それに係数1.6を掛けて1日あたりのエネルギー要求量(kcal)を求めましょう。ただし、係数は年齢や筋肉量などによって変わるので、かかりつけの獣医師に相談したほうが正確です。

去勢手術をするなら生後6か月をメドに

愛犬がソファーやテーブルの脚など、ところ構わずマーキング行動を取ってしまうというお悩みも多いようです。

「これも本能なので制御するのは難しいですが、去勢手術をするとそういった行動は無くなったり少なくなると考えます。ただ、何度もマーキングを繰り返した子は、去勢手術をした後も、習慣としてマーキング行動が残ってしまうことがあります。去勢手術をお考えの場合は、生後6か月ぐらいのマーキング行動が出始めるタイミングで手術できるといいですね」

◆教えてくれたのは:獣医師・山本昌彦さん

山本
獣医師・山本昌彦さん
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獣医師。アニコム先進医療研究所(本社・東京都新宿区)病院運営部長。東京農工大学獣医学科卒業(獣医内科学研究室)。動物病院、アクサ損害保険勤務を経て、現職へ従事。https://www.anicom-sompo.co.jp/

取材・文/赤坂麻実

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