エンタメ・韓流

『アジアの純真』『愛のしるし』がCM、SNSでリバイバル!やっぱりPUFFYは「自然体のプロ」だった

TikTokでバズった『愛のしるし』

とはいえ、私がPUFFYを好きになったのは2ndシングル『これが私の生きる道』からである。正直、『アジアの純真』はいまだにミステリアスソング。北京から始まる冒頭の歌詞は、何の意味があるのか。もしかして暗号?!

調べてみると、井上陽水さんが、奥田民生さんのデモテープの鼻歌を聴いた際、空耳でそう聞こえたからで、特に意味はないという。

出た、神々の遊び……!

私はこういった「意味はないけど面白く成り立たせる天才の技」は、すばらしいと思う。しかし同時に「ハイハイ、センスがあっていいですね!」と嫉妬してしまう悪いクセがある。

それでも、時々無意識的に鼻歌で出てしまうのだ。「北京ベルリン……ぬおおおチックショー!!」

歌ってから、その中毒性にまんまとハマっている自分に気づき悔しくなる。結局、私がよく歌う鼻歌ベストテンの「90年代JPOP部門」をカウントするならば、『アジアの純真』はスピッツの『ロビンソン』とトップを争うと思う。悔しいが!

2000年代にはアメリカ公演を果たし、世界を席巻(写真は2005年、Ph/SHOGAKUKAN)
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昨年TikTokでアップされた振付動画バズったのがきっかけで、再び人気が急上昇している『愛のしるし』も脳内再生力は凄まじい。ああ、タイトルを書いただけで聴こえてくる、デーンドーンデーンドーンというイントロ。スピッツのボーカル、草野マサムネさん作詞作曲によるあの印象深いフレーズ。腕をエッセホイサと横に揺らす振り付け! 体が、体が勝手に動く!

PUFFYの曲は脳にガッツリ染みつく独特の粘着力がある。

簡単だけでは、真似しない。かわいいだけでは、続かない。

昔も今も、手をつなぎ、たららん、たららん、と散歩するように歌う2人のテンションに、つられてしまうのだ。そして、一緒に笑顔で楽しみたい! と思うのだ。

◆ライター・田中稲

田中稲
ライター・田中稲さん
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1969年生まれ。昭和歌謡・ドラマ、アイドル、世代研究を中心に執筆している。著書に『昭和歌謡 出る単 1008語』(誠文堂新光社)、『そろそろ日本の全世代についてまとめておこうか。』(青月社)がある。大阪の編集プロダクション・オフィステイクオーに所属し、『刑事ドラマ・ミステリーがよくわかる警察入門』(実業之日本社)など多数に執筆参加。他、ネットメディアへの寄稿多数。現在、CREA WEBで「勝手に再ブーム」を連載中。https://twitter.com/ine_tanaka

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