エンタメ・韓流

殺し屋シングルマザーが主人公の韓国映画『キル・ボクスン』、「育児より殺人のほうが単純」の衝撃セリフ

韓国と日本に関わる2つのポイント

ファン・ジョンミンが演じた日本ヤクザ・織田に加えて、もうひとり日本に関わる人物が出てくる。ジェヨンが学校のディベートで「10万ウォン札ができたら誰を肖像にするか」を話し合う。その話題の中で名前が挙がった「論介(ノンゲ)」という女性だ。

論介は、李氏朝鮮時代に文禄の役で夫を亡くした。その恨みから、日本の武将を道連れにして川に身投げしたという。日本では馴染みがないが、韓国では国民的なヒロインとして知られている。

ボクスンに執着しているMKエンタ代表のミンギュ(ソル・ギョング)/Netflix映画『キル・ボクスン』独占配信中
写真11枚

映画全体を通して描かれる母と子の関係だが、その中に2つも日本に関わるポイントが出てきた。ボクスンは織田に、娘のジェヨンから「公平性」について教わったことを話す。ジェヨンは論介について「女の人殺しってすごい」と言い、ボクスンを驚かせる。

織田は刀について「女にはわからない」と言っていた。ボクスンが彼の日本刀をどのように扱ったか、最後まで注目したい。

ジェヨンのためにボクスンは成長していく/Netflix映画『キル・ボクスン』独占配信中
ジェヨンのためにボクスンは成長していく/Netflix映画『キル・ボクスン』独占配信中
写真11枚

ボクスンと仕事、ボクスンと娘の関係がどこにたどり着くのか。そして、ジェヨンの生き方にどう影響していくのか。エンドロールが流れはじめても、もう少しだけ二人のその後を待ってみてほしい。

Netflix映画『キル・ボクスン』

脚本・監督:ビョン・ソンヒョン
出演:チョン・ドヨン、ソル・ギョング、イ・ソム、ク・ギョファン、キム・シア、イ・ヨン、ファン・ジョンミン

◆ライター・むらたえりか

ライター・むらたえりかさん(イラスト・いつもの/みき)
写真11枚

ライター・編集者。ドラマ・映画レビュー、インタビュー記事、エッセイなどを執筆。宮城県出身、1年間の韓国在住経験あり。https://twitter.com/eripico

●コロナ禍の乱闘シーンにマスクを生かした『ブラッドハウンド』の巧さ 卑劣な貸金業者に立ち向かうボクサーの”闘い”は「予想外」の連続

●『配達人~終末の救世主~』の凄絶アクション!”未来の韓国”に端正なダークヒーロー誕生