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66歳オバ記者が “捨て活”を始めて気づいた「今まで片付けられなかった」ワケ

66歳の今日まできれいに整頓された家に住んだことがない

で、何の話をしていたかというと、そうなんだよね。私が66歳の今日まできれいに整頓された家に住んだことがないのは、この悪癖のせいよ。片付けを始めて手を動かし出すとなぜか制作意欲がむくむくと湧き上がって、気がつくとミシンの前に座っている。またはちょっと凝った料理を作り出す。ここのところハマっているのがレンチンで作るプリンで、って、こんな回り道しているうちに、片付けはいっこうに進まず日が暮れるという、この繰り返しだったの。

オバ記者
最近ハマってるレンチンプリン
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ちなみにこれはいらなくなったポップな柄の掛け布団カバーで作った湯たんぽ入れ。これを布団の足元に入れて寝ると、数年前に亡くなった愛猫のことを思い出すんだよね。ああ、こうやって冬になると私の足を温めてくれたっけな。でも、油断していると思いっきり噛みつかれたっけな、とか。

オバ記者
こちらも手作りの湯たんぽ入れ
写真10枚

ほんとにもう、こういうことをしているから一歩進んで2歩下がることになるんだけど、今回はそういう自分の性癖を承知の上で、歩を進めると心に決めたわけ。不整脈や心房細動の発作で暴れ出す心臓を抑えながら、「物だらけの部屋を残してあの世に行くのはイヤ」と決意を新たにするわけよ。と、まぁ、そこまで深刻になることはそうそうないけれど、とにかく前進あるのみよ。

エルメスのニットジャケットも放出!

で、先日は、ここ数年、クローゼットの奥から冬になると取り出してはまたしまうを繰り返していたエルメスのニットジャケットを処分することにしたの。これ、私のデッドストックの上位3番目なんだけど、長身のちょっと細身の人向けだから、いくら伸びるニットとはいえ、私が着ると老狸になる。

オバ記者
エルメスのニットジャケットも処分することに!
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きっと定価は目の球が飛び出すような値段に違いないけど、人から頂いたものだから手放すのに抵抗はないの。誰か長身で似合いそうな人がいないかと思っていたら、最近知り合った司法書士のSさんの顔が浮かんだ。さっそくLINEで写真を送って聞いたら、「いただきまーす」と2つ返事。よっしゃ、一歩進んだぜ。

あと、昭和6年生まれの建築家のボーイフレンドからいただいた、数寄屋建築の大家の写真集。これをどうするか。私の部屋よりふさわしい場所はきっとあるはずで、今その行き先を探し中。

オバ記者
写真集、ほしい人いますか?
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そうそう。前回、「床に物を置かないと運気が上がります」と聞いてその気になったと書いたけれど、とてもじゃないけれど独身用のワンルームマンションでそれをするのは至難の業だって、片付けをしながら骨身に沁みた。だからこそ、床置きゼロになったら運気が爆上がりすると言われたらひと言もないんだけどね。

思えば理想のピンクの寝具作りも、素材探しから数えたら一年がかりだったんだし、ちょっとずつ、ちょっとずつだね。

◆ライター・オバ記者(野原広子)

オバ記者イラスト
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1957年生まれ、茨城県出身。体当たり取材が人気のライター。これまで、さまざまなダイエット企画にチャレンジしたほか、富士登山、AKB48なりきりや、『キングオブコント』に出場したことも。バラエティー番組『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)に出演したこともある。昨年10月、自らのダイエット経験について綴った『まんがでもわかる人生ダイエット図鑑 で、やせたの?』を出版。

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