不調改善

《専門医が解説》より良い睡眠に導くための6つの方法とは?「早寝早起きがいいとは限らない」「寝不足では効率が40%ダウン」

早寝早起きがいいわけではない!

前項目にチェックをつけたあなたに“よい睡眠”のための6つの方法を、中村さんに解説してもらおう。

1. 就寝・起床時間を決める

「眠りのリズムを整える基本であり、近道です」

2.休日も夜更かししない

「眠りのリズムを崩さないためです。ただ、平日と同じ時間に寝て、起きる時間を2~3時間遅らせる程度ならリズムを崩しません」

3. 自分に合った時間に眠る

「人にはクロノタイプ(※)があり、夜型の人が無理に早起きをして体調を崩すこともある。早寝早起きにこだわらず、自分に合った時間帯に規則正しく眠ることが大事です」

(※)クロノタイプとは体内時計の傾向。「朝型」「夜型」に区別され、約50%が遺伝、約50%は後天的なものとされる。自己チェックは「ミュンヘンクロノタイプ」で検索を。

4. 就寝1時間前からリラックス時間を設定する

「軽いストレッチをするといいですね」

5. 朝食をとる

「睡眠時は内臓機能も休養モード。少しでも口に入れることで内臓を刺激し、覚醒モードに導きましょう」

6. 帰りの電車で寝ない

「通勤時間が長い人は、朝の電車で寝ることは前夜の睡眠を補う意味でもOKですが、帰りに眠り込むのは、夜の睡眠リズムが崩れるので絶対NGです」

夜中に何度も目が覚めるのが悩み、という人もいる。「これは老化現象の1つ。目が覚めるのが1、2回で、その後すぐに眠れる場合は気にしなくても大丈夫」。

「いい状態で対局に臨むためには睡眠は重要」と藤井八冠
黙考中の藤井八冠。「棋士は集中力がすべて。睡眠不足は致命的でしょう」(中村さん)(Ph/共同通信社)
写真5枚

中高年女性は眠れなくなるというのはホント?

とはいえ、何もしないと中高年以降は必然的に眠りの質が低下する。

「更年期世代は自身の健康や容貌の変化、親の介護などの不安要素が加わり、寝つけない、途中覚醒してしまう『睡眠障害』が起きやすくなるので、よい眠りを意識する必要があります」  以下の症状が思い当たる人は、専門医のいるクリニック(「日本睡眠学会HP」で検索可能)に相談を。

無呼吸になる頻度が上がる

「更年期を過ぎるとホルモンバランスの影響で無呼吸になる頻度が上がるといわれています。また、小顔の若いかたにも、無呼吸が増えている。顎が小さいと仰向けのときに舌が落ち込んで、喉に通じる空気の通り道を塞いでしまうのです」

朝、口や喉が渇く、いびきをかく人は、睡眠時無呼吸症候群の可能性も。

脚のむずむず感 遺伝や老化現象の可能性も

「夕方以降、眠くなるとふくらはぎの骨と筋肉の間あたりに虫がはうような不快感、しびれのような感覚が出て寝つけず、動かすと楽になる人は『レストレスレッグス(むずむず脚)症候群』が疑われます。腕や腰に症状が出たり、夜以外にも日中眠くなったときやじっと座っているときに出る人も。遺伝や老化現象の1つといわれますが、鉄不足の女性に現れることもある」

眠りに悩む人は、特に次のことにも気をつけたい。

「明日のことは明日考えて、まずは寝てください。夜中に考えてもネガティブなことしか浮かびませんから」

◆教えてくれたのは:睡眠学会総合専門医 中村真樹さん

※女性セブン2024年5月30日号

●ドジャース大谷翔平が重視する睡眠「深い眠り。質も大事」、活躍を支える最先端の睡眠アイテムは?

●【これ買ってよかった】睡眠美容家が選ぶ「ルームウェア」はアラフィフにおすすめ!「疲労回復をサポート」「リラックス効果を実感」

関連キーワード