不調改善

血糖値上昇を抑える「酢」 ビタミンC破壊を止める効果も

朝夜の寒暖差が急に激しくなる秋は、自律神経が乱れがち。体調を崩し“秋バテ”する人も増え、夏場に摂取した冷たい飲み物などで胃腸がヘトヘト…なんて人も多いはず。そんな疲れきった体におすすめなのが“お酢”。家に必ずある、身近な調味料だが、その効果は万能。疲労回復から美容、健康、料理まで、今まさに体が欲しているのがお酢なのだ。

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肥満予防、便秘解消、美肌効果、疲労回復など…お酢には万能の効果が(写真/アフロ)

身近な調味料でありながらも、体に対して様々な効果を発揮するという「酢」。その筆頭といえる効果が「疲労回復」だ。日本医療栄養センター所長で医学博士・管理栄養士の井上正子さんが解説する。

疲れを吹っ飛ばす

「酢に含まれるクエン酸や酢酸が、疲労物質の乳酸を分解し、筋肉疲労を回復する手助けをしてくれます。また、酢と一緒に米などの糖分を食べると、人間のエネルギー源の1つであるグリコーゲンを補充しやすくなり、疲れがとれやすくなります」(井上さん、以下「」内同)

ただし、やみくもに摂取するのは逆効果。

「お酢はとても体にいい調味料ですが、1日大さじ1杯程度を目安に摂取するのが効果的です」

カルシウムを摂り込む

実はカルシウムが不足しがちな日本人。更年期を迎えると骨密度が低下し、カルシウムの摂取はさらに重要になってくる。そんなときに助けてくれるのも酢だ。

「酢酸には、体内に入ったカルシウムを吸収しやすくする働きがあることがわかっています。また、骨がついている魚や肉、貝など、カルシウムの多い食材に酢を加えて調理すると、食材に含まれるカルシウムが溶け出すことで、摂りやすくなります」

さらに、高血圧防止の効果も。

「酢酸が細胞に摂り込まれると、アデノシンという物質が血管の壁に働きかけて、血管が広がります。その結果、血流がよくなり血圧の上昇を防ぎます」

血液サラサラで冷え性に克つ

また、冷え症の改善にも効果があるという。

「主成分の1つ、アミノ酸が善玉コレステロールを増やす働きがあるため、血管を広げるだけでなく、血液をサラサラにする効果もあります。血液がサラサラになることで代謝が上がり、冷え症や貧血の改善にもつながりますよ」

血糖値の上昇をゆるやかに

加齢とともに体を悩ませるものの1つに血糖値が挙げられる。糖尿病や動脈硬化など、血糖値の上昇が引き起こす病気は命にもかかわる。そして、血糖値の上昇を抑える効果があるのが、「酢」だ。

「血糖値は食後すぐに上昇し、2時間くらいすると下がってきます。ただし、この急な上昇が糖尿病などを引き起こす原因になりうるのです。食事のときに酢を一緒に摂ることで糖質の吸収がゆるやかになり食後の血糖値の急激な上昇を抑えることができます」

また、酢に含まれるアミノ酸がコレステロール値の上昇も抑えてくれる。

ビタミンCの破壊をストップ

ビタミンCは老化の原因になる活性酸素の増加を抑え、シミの予防にもなる美容に必須の栄養素。だが、加熱すると失われやすいという欠点がある。そこでビタミンCが含まれる野菜などを調理する前に、酢が大活躍する。

「500mLの水に大さじ1杯の酢を加えた酢水に野菜をつけたり、酢を入れたお湯で野菜をゆでたりすると、加熱してもビタミンCが壊れにくくなります」

脂肪を撃退!ダイエット効果

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写真/アフロ

さらに、脂肪を減らす効果もあるという。

「酢にはアルギニンという脂肪の合成を予防するアミノ酸や、脂肪を分解する作用があるペプチドが含まれています。太り気味の人が毎日大さじ1杯の酢をとったところ、内臓脂肪や体重、血液中の中性脂肪が減少したという研究結果があります。利尿効果もあり、水太りにも効果的です」

塩味を引き立て減塩効果

厚労省が目標とする1日の塩分摂取量が男性8g、女性7g。しかし、女性の平均摂取量は9~11gというデータがある。塩分を摂りすぎると、高血圧や動脈硬化、心筋梗塞といった生活習慣病の原因となるばかりか、むくみなども引き起こす美容の敵でもある。井上さんは「酢を上手に活用すれば、塩分の摂りすぎを防げる」とアドバイスする。

「酢の酸味には塩味を引き立たせる効果があります。味つけをするときに塩やしょうゆの量を少し減らし、代わりに酢やだしをプラスするといいですね」

ちょい足しでサッパリ

気候の変化に体がついていけずグッタリ…。疲れて食欲もない、そんなときこそ、酢を使った料理で乗り切ろう。

「多くのかたに経験があると思いますが、酢の酸味や独特のツンとした香りは味覚や嗅覚を刺激して、脳の摂食中枢に働きかけ、食欲が増進します」

酢は油っこさも軽減するので、中華料理や肉料理などを食べる時に少し酢を足すと、サッパリと食べられる。

肉や魚の臭みを消す

さらに、酢は味付けだけでなく、調理の下準備にも使えるアイテムだ。肉や魚を酢水で洗うか酢水につけてから調理すると、臭みがとれるというメリットがある。

「酸性である酢は、においの原因となるトリメチルアミンなどのアルカリ性成分を中和し、においを消します。また、酢はたんぱく質を分解するので、肉を焼く前に酢を加えた調味液に浸しておくだけで、やわらかくなるんです」

食材の色を鮮やかに

また、野菜の見た目をきれいにするのもお酢の力。

空気に触れると色が変わるれんこんやごぼうなどは、酢水に5~10分つけておくだけで変色を防ぎ、白さが引き立つ。なすも酢を少し加えて炒めると、色鮮やかな仕上がりになり、“見た目でおいしい”を感じられる。

秋にも多い食中毒予防

そして、秋になり気温が下がったからといって安心できないのが食中毒。最近では、0-157感染のニュースも大々的に報じられるなど、引き続き気をつけたい。

「酢酸には殺菌作用があり、食中毒を引き起こす大腸菌やサルモネラ菌、0-157にも効果があることがわかっています。酢と水を1対1~1対2くらいの割合で混ぜて、調理器具の殺菌に使ってもいいし、お弁当の具材に酢を加えると安心です」

米を炊くときに少し酢を加え、おかずの味付けに酢を使うと安心。

※女性セブン2017年10月12日号

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