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愛犬に与える「一汁一菜ごはん」 獣医師が語る注意点と栄養たっぷりの魚介レシピ

一汁一菜の疑問に回答

一汁一菜レシピを作って与えるときに、知っておきたいことをQ&A形式で紹介します。

食べ物を前にしたボストンテリア
犬の食事の注意点とは?(Ph/PhotoAC)
写真3枚

Q:一汁と一菜を混ぜて与えるのはOK?

口の周りが濡れることを嫌って汁を飲まないワンコもいるので、もちろん混ぜて与えてOKです。汁を少量ずつ器に入れてみるのもいいかと思います。

ただし、どんなごはんでも早食いすると胃腸に負担がかかりますので、ゆっくり食べられる工夫を取り入れましょう。早食い防止のお皿を使ったり、わんこそば方式で与えるなど、愛犬の反応を見てやってみてください。

Q:効率よくミネラルを摂取するには?

ワンコは体内でミネラルを生成できないため、食事から摂取する必要があります。ミネラルには主要ミネラルと微量ミネラルの2種類があり、どちらも必要な栄養素ですが、多すぎると過剰症、少ないと欠乏症を引き起こすことがあります。

それぞれの必要量を食材のみで補うのは難しいのですが、ミネラルには相互作用があり、どれかひとつが欠けてもよくないのでサプリなどを活用しましょう。

ワンコに必要な主要ミネラルは、カルシウム、リン、カリウム、ナトリウム、マグネシウムの5種類。微量ミネラルは、鉄、銅、亜鉛、マンガン、セレン、ヨウ素の6種類。なかでも手作り食を作るにあたって欠乏しやすいのがカルシウムと鉄と亜鉛なので、この3つをサプリで補うのがおすすめです。

Q:初めて与える食材で、特に気をつけるべきものは?

初めて与える食材は、愛犬にアレルギーの有無がないか気になりますよね。

気をつけるべき食材は3つあります。「肉類(牛肉、鶏肉、ラム肉、鶏卵)」「乳製品」「大豆、小麦、とうもろこし」です。これらはごく少量から試してみて、アレルギー症状がなければ、食事のローテーションのひとつに組み込む形で取り入れてみましょう。

アレルギー症状とは、口や目の周囲、肛門周囲、脇の下、内股、手足先のかゆみや赤みのほか、脱毛、ふけ、嘔吐や下痢などの消化器症状などを指します。排便回数が増えるのがアレルギー反応のひとつというデータもあります。

また、食材以外にも添加物がアレルギーの引き金になることも。気になるときは、動物病院でアレルギー検査をしてみましょう。

◆教えてくれたのは:獣医師・林美彩さん

獣医保健ソーシャルワーク協会所属。学生時代に飼っていた愛犬・茜を迎えたことをきっかけに、手作り食を学ぶ。大学卒業後は、西洋医学、代替療法両方の動物病院の勤務、サプリメント会社での相談対応に従事。西洋医学と代替療法の良いところを融合させた治療、病気にならない体作り、家庭でできるケアを広めるため、2018年3月に「chicoどうぶつ診療所」を開院。https://www.chicoah.com/

◆獣医師・古山範子さん

麻布大学獣医学科卒業。中山動物病院(茅ヶ崎市)非常勤講師。ペットのためのホリスティックケアセラピスト養成講座講師。日本獣医ホメオパシー学会認定獣医師。日本ペット栄養学会会員。日本獣医動物行動研究会会員。国際薬膳師。獣医保健ソーシャルワーク協会所属。愛猫4匹と暮らし、手作り食を中心に犬猫の養生法を提案する、犬猫養生Harmonyを主宰。https://ameblo.jp/animal-harmony/

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