不調改善

誰もがやりがちな “間違ったダイエット習慣”について1年で24kg減量した専門家が解説

【間違った習慣2】カロリーや食物繊維に囚われすぎる

野菜やこんにゃくは食物繊維が豊富でカロリーが低い上にさまざまなダイエット効果のある栄養素が含まれているケースが多いので、積極的に摂取することで体重が減りやすいと思っているかたが多いと思います。

食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があり、水溶性食物繊維は水に溶けて水分を抱きこんでゲル化し余分なコレステロールなどを吸着して排出する作用があり、腸内をゆっくり移動するので血糖値を上げにくいだけでなく、不溶性食物繊維に比べ、腸内で発酵して腸内細菌の餌になる効果が高いのも特徴です。水溶性食物繊維はいも類、わかめや昆布などの海藻類、大豆、大麦、ライ麦などの麦類などに多く含まれています。

大麦、ライ麦
大麦、ライ麦には水溶性食物繊維が多く含まれる(Ph/イメージマート)
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一方、不溶性食物繊維は水に溶けず水分を吸収して膨れ、腸壁を刺激してぜん道運動(主に腸の内容物を移動させる働き)を促す作用があります。不溶性食物繊維は大豆、ごぼう、きのこ、穀類などに多く含まれています。

不溶性食物繊維に偏りすぎてしまうと、便秘を引き起こす原因に

同じ食物繊維でも不溶性食物繊維に偏りすぎてしまうと、便秘を引き起こす原因になります。特に低カロリーでダイエットに活用する人が多いこんにゃくは要注意。こんにゃくの主成分は水分を除くとグルコマンナンという水溶性食物繊維です。しかし、市販の多くのこんにゃくは製造過程において凝固剤の水酸化カルシウムが使われて作られているため、水溶性から不溶性に変わってしまっています。

麺類の代わりにこんにゃくをたくさん食べてダイエットをした経験などある人は、便秘に悩まされ体重が減らずお腹が苦しい思いをした経験がある人もいると思います。

私もまだ何も知識がなかった時代に単にカロリーが低いからと言う理由でこんにゃくダイエットを実践したことがあり、ものひどい便秘に悩まされて結局体重が思ったように落ちずに断念してしまったことがあります。

便が排出されずに腸内に留まっていると、水分と一緒に体内へ再吸収され、皮下脂肪として蓄えられてしまうだけでなく代謝機能も低下すると考えられているので注意が必要です。

便秘ぎみな女性
便秘ぎみだと代謝機能も低下(Ph/イメージマート)
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食物繊維は、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維をバランスよく摂取してこそ効果があります。カロリーが低いことや食物繊維だけに囚われてしまうと、努力してもなかなか努力が報われない結果を招いてしまう可能性があります。

【間違った習慣3】自分の体型への理想が高すぎる

私がトータルダイエットカウンセラーとして活動した経験から感じることは、多くの女性が体型の理想が高すぎることです。理想が高すぎると、無理なダイエットを選択してしまい、結果として太りやすい体型を自ら作ってしまうケースが多くみられます。

いつもきれいでいたいと思う気持ちや行動、努力はとても大切ですが、その一方で自分の体質や変えられないライフスタイルを受け入れ自分らしくきれいでポジティブでいることを忘れてはいけないと思います。自分自身の体型を受け入れられると心が楽になり中からの魅力が出てくることで女性としてより輝けると思います。

これは私が出版した全ての本で伝えていることですが、私自身も決して人がうらやむ体型をしているとは思っていません。私は長い間、理想と現実の体型に葛藤した末にようやく自分の体型を受け入れられた時期がありますが、そのころと比べ今は自分に自信が持てるようになりました。自信は人としての魅力の一つになると思います。

モデルさんのような体型だけが女性としての「美」ではないことを忘れないでほしいです。

意外にやりがちな “間違ったダイエット習慣”、いかがでしたでしょうか。ぜひなにかひとつでも参考にして、少しでも努力が結果につながるダイエットを実践してもらえたらと思います。

◆教えてくれたのは:ヘルスフードサイエンス研究家・大西ひとみさん

ヘルスフードサイエンス研究家・大西ひとみさん
ヘルスフードサイエンス研究家・大西ひとみさん
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9年間、米ロサンゼルスでパーソナルトレーナーとして活動後帰国。トータルダイエットカウンセラーとして7冊の本を出版、ダイエット商品・食品の商品開発の監修などをはじめさまざまなメディアで活動。2017年に自身のギルトフリースイーツブランド「h+diet(エイチプラスダイエット)」(https://h-plusdiet.com/)を立ち上げ、現在は東京・武蔵小山で『h+diet laboratory』をオープン。野菜を使い、甘味料・人工甘味料不使用、グルテンフリーの「栄養学から考えるオーガニックスイーツ」を販売、他社の商品監修などに携わるなどヘルスフードサイエンス研究家としても活動。

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