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温水洗浄便座には2種類 「瞬間式」の方が節約になる理由を節約アドバイザーが語る

温水洗浄便座のイメージ
温水洗浄便座の電気代はどのくらい?(Ph/photoAC)
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TOTOの「ウォシュレット」で知られる温水洗浄便座は、今や欠かせない家電のひとつですが、やはりここにも電気代がかかっています。そこで、温水洗浄便座の種類や年間の電気代について知り、節約に役立てましょう。節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんに、詳しく教えてもらいました。

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貯湯式と瞬間式、本体なら貯湯式が安い

温水洗浄便座には主に、「貯湯式」と「瞬間式」の2種類があります。まずはこの2種について知りましょう。

導入コストが安い貯湯式

現在、一般家庭で多く普及しているのは、内蔵のタンクに温水を溜めておく貯湯式というタイプです。価格比較サイトの「価格.com」で調べると、本体価格(便器代含まず)の最安値は1万4000円、ベーシックグレードとされる2~3万円台のものも多数あります。(https://kakaku.com/housing/toilet-seat/itemlist.aspx?pdf_Spec101=1&pdf_so=p1)

ただし、貯湯式はタンクに溜めているお湯を常時保温しているため、電気代がかかります。例えば、前述した1万4000円のものは年間電気代が3807円、年間電気代が一番安い商品でも3645円ほどかかります(2022年11月現在、価格.comより)。

さらに、1か月以上など長時間保温し続けることでタンク内に雑菌が繁殖するリスクもあります。また、朝など家族が次々とトイレに行くような連続使用では湯切れや温度低下などもあり、あまりに向いていません。

温水洗浄便座のリモコン
貯湯式の温水洗浄便座は本体が安いものの電気代がかかる(Ph/photoAC)
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保温不要でランニングコストが安い瞬間式

一方の瞬間式は、使用時に都度、水を瞬間加熱するタイプです。貯湯式と比べると本体価格は高いですが、保温の必要がないぶん電気代は安くなります。また、瞬間的に水を温めているため、雑菌が繁殖しにくいとも言われています。

「価格.com」では、瞬間式の最安値は2万709円が、主流は4~5万円台なので、導入コストだけを考えると貯湯式よりも高くなります。(https://kakaku.com/housing/toilet-seat/itemlist.aspx?pdf_Spec101=2&pdf_so=p1)

前述した最安値のモデルで年間電気代は2268円、電気代が一番安い商品になると、本体は5万円程度になりますが年間1566円まで下がります(同)。

電気代の値上がりを考えると瞬間式に軍配

水回りトラブル対応の「クラシアン」のサイトによると、温水洗浄便座の寿命は7〜10年だといいます。(https://www.qracian.co.jp/faq/toilet/1369/#:~:text=%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%88%E3%82%84%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%88%E3%82%A4%E3%83%AC%E3%81%AA%E3%81%A9,%E3%81%AE%E3%81%8C%E8%89%AF%E3%81%84%E3%81%A7%E3%81%97%E3%82%87%E3%81%86%E3%80%82)

貯湯式・瞬間式、それぞれの電気代を踏まえてコストを計算してみましょう。

長く使うほど瞬間式がお得に

本体価格最安値のモデルで比較して、年間電気代の差額は「3807円(貯湯式)-2268円(瞬間式)=1539円」。本体価格の差額は6709円で貯湯式のほうが安いですが、4年半以上使うとすれば瞬間式の方がコストが安くなるという計算になります。また、目安の7年で考えると差額は1万773円で、もちろん長く使うほどお得になります。

ちなみに、年間電気代最安値のモデルで計算すると、本体価格の差額も変わりますが、「3645円(貯湯式)-1566円(瞬間式)」で年間電気代の差額は2079円まで開きます。逆に年間電気代最高値のモデルで比較しても、貯湯式は4941円、瞬間式は3456円と、瞬間式の方が1485円安くなります(同)。

さらに今後、電気代が値上がりしていくことを考えると、電気代を抑えられる瞬間式を選ぶ方が節約になると言えるでしょう。

機能と消費電力の兼ね合いで検討を

温水洗浄便座の壁付けリモコン
温水洗浄便座を買うときは機能とコストを考えて(Ph/photoAC)
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なお、本体価格は洗浄機能の以外の乾燥機能の有無やリモコンの場所によって差異が生まれます。機能が増えたり、便利になったりするほど価格も上がります。譲れない機能を押さえつつ、本体価格と消費電力のバランスをみて決めるのが賢い選び方といえます。

◆教えてくれたのは:節約アドバイザー・丸山晴美さん

丸山晴美さん
節約アドバイザー・丸山晴美さん
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節約アドバイザー。ファイナンシャルプランナー。22歳で節約に目覚め、1年間で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニの店長などを経て、2001年に節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザー、宅地建物主任士(登録)、認定心理士などの様々な資格を持ち、ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどをテレビやラジオ、雑誌、講演などで行っている。https://www.maruyama-harumi.com/

構成/吉田可奈

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