家事・ライフ

「ライバルを蹴落とそうする人」よりも「ライバルの成長を願う人」のほうが高いパフォーマンスを発揮できるのはなぜか

自分だけのしあわせを願うより、3人のしあわせを願うほうが、脳は力を発揮する(Ph/GettyImages)
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つまり、脳は戦ってだれかを蹴落とすことより、共生をめざすことのほうが高いパフォーマンスを発揮できるのです。よって、ライバルの成長も祈るのです。

もしライバルが、同じスポーツの対戦相手だったら、相手が最高のパフォーマンスを見せることを願う。そして自分も最高のパフォーマンスで挑むことを考えるのです。同じ大学や会社をめざしている相手だったら、共闘相手として共に合格することを祈るのです。

同じ人に思いを抱いている場合は、ダイレクトに相手の成功を祈るのは少しむずかしいかもしれませんね。この場合は少し角度を変えて、意中の人、ライバル、自分の3人がいちばんいい方向へいくことを願ってみてください。自分だけのしあわせを願うより、3人のしあわせを願うほうが、脳は力を発揮するはずです。
(了)

◆教えてくれたのは:脳科学者・中野信子さん

中野信子さん
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東京都生まれ。脳科学者、医学博士。東日本国際大学特任教授、森美術館理事。2008年東京大学大学院医学系研究科脳神経医学専攻博士課程修了。脳や心理学をテーマに研究や執筆の活動を精力的に行う。著書に『エレガントな毒の吐き方 脳科学と京都人に学ぶ「言いにくいことを賢く伝える」技術』(日経BP)、『脳の闇』(新潮新書)、『サイコパス』(文春新書)、『世界の「頭のいい人」がやっていることを1冊にまとめてみた』(アスコム)、『毒親』(ポプラ新書)、『フェイク』(小学館新書)など。

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