ペット・動物

犬や猫の多頭飼いはどうすればうまくいくのか、犬と猫の違いは? 獣医師が解説する飼い主の気配りポイント

猫の多頭飼いはトイレを別に、食事も別に

猫を多頭飼いする場合は、猫同士の距離感を意識する必要があります。最初の1週間ぐらいは新しい子を先住猫とは別の部屋に隔離しておいて、まずは相手の匂いのするものをそれぞれの部屋に差し入れるなど、間接的な交流を。その後、柵など何かさえぎるものを用意して、その隙間越しに安全に対面させます。慣れてきたら、じかに会わせましょう。ケンカするようなら、再び生活空間を分けて冷却期間をおく必要があります。

猫
慣れてきたら一緒に(Ph/イメージマート)
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「猫同士は食事もトイレも別にしておいて、気が向いたときに一緒に遊ぶぐらいの距離感が幸せだと思います。食事は別々の場所で与えるほうが安心できると思います。猫は年齢を重ねると腎臓病を患うなどして療法食に移行するケースが多いので、最初から食べるものはそれぞれ分けておきましょう」

トイレは飼っている猫の数に「1」を足した分だけ用意を

トイレは必ず、飼っている猫の数に「1」を足した分だけ、用意するべきだといいます。2匹なら3個。3匹なら4個です。

「猫は繊細なので、トイレが汚れていると排泄をしなくなることがあります。それに、猫は腎臓病のリスクが高い動物ですから、尿量など排泄物のチェックが欠かせません。1つのトイレを複数の猫で使うと、それぞれの健康状態が分かりにくくなるので、やっぱりトイレは別がいいです。プラス1個を推奨するのは、猫に選択肢を与えるという意味ですね」

多頭飼い、“わが家で可能かどうか”考えて

山本さんは、大前提として、「多頭飼いはどの家庭でもできるわけではない」と言います。先住犬、先住猫の性格、それから住環境、間取り。飼い主さんがペットにかけられる時間や金銭の余裕。これらを総合的に考え合わせて、新しい子を迎えられるかどうか判断することが重要です。

「例えば、柴犬は飼い主との1対1の関係性を非常に大切にする性格なので、比較的、多頭飼いがしづらい犬種といえるかもしれません。もちろん個体差はありますし、実際に多頭飼いできているお宅もありますが、傾向としてはトイプードルやミニチュアダックスフンドなどのフレンドリーな犬種に比べると難しい。

また、どの犬種、猫種であってもビビリの子はいるもので、怖がりが他者への攻撃の形で表れる子だと、多頭飼いは困難かもしれません。新しい子を譲ってもらうときに、お試し同居などがもし許されるなら必ずして、可能性を見極めたいですね」

◆教えてくれたのは:獣医師・山本昌彦さん

獣医師・山本昌彦さん
獣医師・山本昌彦さん
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獣医師。アニコム先進医療研究所(本社・東京都新宿区)病院運営部長。東京農工大学獣医学科卒業(獣医内科学研究室)。動物病院、アクサ損害保険勤務を経て、現職へ従事。https://www.anicom-sompo.co.jp/

取材・文/赤坂麻実

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